海外進出白書

アフターコロナの海外進出トレンド分析:サービス業

2024年7⽉17⽇ 公開

アフターコロナの海外進出トレンド分析(3) 拠点設⽴案件が急増! サービス業ではASEANへのニーズも増加傾向

サービス業の業態は様々ですが、新型コロナウイルスの影響を⼤きく受けた業態の多い業種です。世界がアフターコロナに向かう中でサービス業は、どのような国や地域に、どのようなビジネスチャンスを狙って海外進出を検討していくのでしょうか。

この記事は、AIG損保と海外ビジネス⽀援プラットフォーム『Digima 〜出島〜』(運営:株式会社Resorz)が協⼒して制作した「海外進出⽩書2022-2023」の中から、AIG損保が注⽬したトピックを⼀部編集してご紹介しています。

「海外進出⽩書2022-2023」をダウンロードする

外資優遇措置と1⼈あたりのGDPの⾼さでサービス業に⼈気のマレーシア

サービス業が進出先として検討している国や地域、⽬的(相談内容)、企業の規模を⾒てみましょう。海外進出動向調査の全体とサービス業のみを抽出したデータを⽐較することで、⽇本企業の進出動向を考察します。

⽇本企業の海外進出動向調査

調査概要:インターネット・電話による相談の集計・分析
調査対象:『Digima 〜出島〜』への海外進出に関する相談4,537件
調査期間:2022年4⽉~2023年3⽉

最初のグラフは、海外ビジネス⽀援プラットフォーム『Digima〜出島〜』に海外進出相談をした企業の業種別割合です。「サービス」は「卸売・⼩売」「製造」に次ぐ3位という結果でした。

海外進出検討企業の「業種別割合」(全体)

国別では全体と⽐較して「マレーシア」が⼤きく順位を上げる結果になっています。

海外進出検討企業の進出先「国別割合」(全体)

海外進出検討企業の進出先「国別割合」(サービス業のみ)

マレーシアは国家として外資優遇措置を進め、外国からの投資を獲得しようという意図が強い国です。また、⼀⼈あたりのGDPもシンガポール、ブルネイに次いで⼤きく、12,000ドルを超えています。⼀般的に10,000ドルを超えると、消費形態が多様化し、サービス産業が拡充する傾向にあると⾔われています。その点がサービス業の多い理由と⾔えそうです。

⽇本のビジネスモデルを横展開。新たな売上拠点として海外へ

⽇本のビジネスモデルを横展開。 新たな売上拠点として海外へ

サービス業の相談内容別割合では、全体と⽐べて「会社設⽴」「海外税務・会計」といった内容が多くの割合を占めています。

海外進出検討企業の進出先「相談内容別割合」(全体)

海外進出検討企業の進出先「相談内容別割合」(サービス業のみ)

サービス業においては、店舗や施設の運営を伴うケースが多く、拠点設⽴に関するニーズの割合が⼤きくなったのだと考えられます。

サービス業では規模が⼩さめの企業も積極的に海外進出を検討している

サービス業については下記のような相談が多く寄せられていました。

名前
サービス業

弊社は、美容施術研修業、美容物販業をしております。今回、海外にてアートメイクの店舗展開を検討しております。それに伴い、ご相談とサポート下さる企業様を探しております。
(マレーシア、タイ、シンガポール、ドバイ)

名前
サービス業

現在ネイルサロンを経営しております。新規事業として、ロードバイクの修理・販売業にてマレーシアへの展開を検討しております。それに伴い、拠点設⽴のご相談とサポート下さる企業様を探しております。
(マレーシア)

名前
卸売・⼩売業

私共は、ペンション経営をしております。この度ミュシュランレストランから料理⼈を迎えまして、今後オーベルジュとしてスタートを考えております。それに伴い、海外展開を考えており、台湾またはフィリピンに展開をしたいと考えております。

その際に最適な設⽴形態をご相談できるサポート企業様を探しております。設⽴形態が決まり次第、海外店舗設⽴に関しての全般的サポートをお願いしたくご相談しております。
(台湾、フィリピン)

その他、⽇本国外での雇⽤体制を確⽴するための会社設⽴、ビザや⼈材関連の相談も多くありました。各国の法律や制度を端緒とする相談が多いのは、サービス業の特徴です。

サービス業の企業規模を⾒てみると、⽐較的規模が⼩さい企業が半数以上を占めていることがわかりました。

海外進出検討企業の「企業規模別割合」(全体)

海外進出検討企業の進出先「企業規模別割合」(サービス業のみ)

⽇本国内で展開しているサービスを海外展開する場合、そのままのサービスクオリティを海外に持って⾏けるか否かがポイントとなります。拠点を設けて、任せられるスタッフを配置する事業モデルは、⼩売業や製造業でトレンドとなっている代理店モデルと異なり、海外展開に苦⼼している企業も多いと⾔えるでしょう。

出典

本原稿および全てのグラフは、2022年4⽉〜2023年3⽉の期間に、海外ビジネス⽀援プラットフォーム『Digima 〜出島〜』へ寄せられた海外進出相談と海外進出企業・海外進出⽀援企業を対象に実施したアンケートをもとに作成された「海外進出⽩書 2022-2023」を出典元にAIG損保で編集したものになります。

海外ビジネス⽀援プラットフォーム「Digima 〜出島〜」のページ(外部のサイトに移動します)

詳しくは「海外進出⽩書 2022-2023」をご覧ください。

卸売・⼩売業、製造業、IT・通信業などの海外進出動向もご覧になれます。

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