海外進出白書

アフターコロナの海外進出トレンド分析:会社設立ニーズ

2024年7⽉22⽇ 公開

アフターコロナの海外進出トレンド分析(4) サービス、IT・通信業の案件を中⼼に急増する「会社設⽴」ニーズ

2022年から始まった「円安ドル⾼」の流れは、アフターコロナの現在も変わっていません。単純に円安を輸出チャンスと捉えると「輸出⼊‧貿易‧通関」や「代理店探し」「越境EC」などのニーズが増加しますが、サービス業やIT‧通信業ではコスト増加を招く「会社設⽴‧登記代⾏」のニーズが増えています。そこからどのようなことが読み取れるでしょうか。

この記事は、AIG損保と海外ビジネス⽀援プラットフォーム『Digima 〜出島〜』(運営:株式会社Resorz)が協⼒して制作した「海外進出⽩書2022-2023」の中から、AIG損保が注⽬したトピックを⼀部編集してご紹介しています。

「海外進出⽩書2022-2023」をダウンロードする

「会社設⽴」ニーズの半数以上はASEANに集中

海外進出動向調査の全体と「会社設⽴‧登記代⾏」のニーズがある企業のみを抽出したデータを⽐較することで、⽇本企業の進出動向を考察します。

⽇本企業の海外進出動向調査

調査概要:インターネット・電話による相談の集計‧分析
調査対象:『Digima 〜出島〜』への海外進出に関する相談4,537件
調査期間:2022年4⽉~2023年3⽉

最初のグラフは、海外ビジネス⽀援プラットフォーム『Digima〜出島〜』に海外進出相談をした企業の相談内容の内訳です。「海外会社設⽴‧登記代⾏」は「販路拡⼤(営業代⾏‧販売代理店探し)」「輸出⼊‧貿易‧通関」に次ぐ3位という結果でした。

海外進出検討企業の進出先「相談内容別割合」(全体)

国別割合では、全体と⽐較して「アメリカ」「中国」の割合が⼤きく下がり、「ベトナム」を筆頭にASEAN各国が上位を独占しています。税制度などの点でグローバル拠点の設⽴先として有利な「シンガポール」も⾼い割合となっています。

海外進出検討企業の進出先「国別割合」(全体)

海外進出検討企業の進出先「国別割合」(会社設⽴・登記代⾏ニーズのある企業のみ)

業種別割合でも全体で多かった「卸売・⼩売」「製造」の割合が減少し、「サービス」「IT・通信」の割合が増加しています。

海外進出検討企業の「業種別割合」(全体)

海外進出検討企業の「業種別割合」(会社設⽴・登記代⾏ニーズのある企業のみ)

⼀般的にサービス業は進出する企業の従業員も含めた消費⼒の⾼まりによって、⼤きくチャンスが増加する業種と⾔えます。その点、経済規模が拡⼤しているASEANは魅⼒的です。

またIT・通信業では、エンジニア育成に国策として取り組んでいる「ベトナム」や、英語⼈材が豊富な「フィリピン」は、オフショア開発やグローバル開発の体制を築きたい⽇本企業が注⽬している国として知られています。

拠点を設けて海外進出をする中⼩企業も多い

「会社設⽴・登記代⾏」の相談をした企業の規模別では、50名以下の企業がボリュームゾーンとなっています。

海外進出検討企業の進出先「企業規模別割合」(会社設⽴・登記代⾏ニーズのある企業のみ)

実際の相談内容としては下記のような相談がありました。

名前
サービス業

もみほぐしのリラクゼーション店舗を運営しており、今回ベトナム‧フーコック島で店舗展開を検討しております。店舗展開に伴い、現地での法⼈設⽴の登記のご相談とサポート、銀⾏⼝座開設の⼿続きのご相談、現地税務‧会計処理サポート、VISA申請のご相談をさせてください。
(ベトナム)

卸売・⼩売業、製造業が拠点を設けない形での進出に取り組んでいる⼀⽅で、サービス業、IT・通信業の進出には会社設⽴が重要であり、かつASEANのマーケットに注⽬していることが伺える結果となりました。

出典

本原稿および全てのグラフは、2022年4⽉〜2023年3⽉の期間に、海外ビジネス⽀援プラットフォーム『Digima 〜出島〜』へ寄せられた海外進出相談と海外進出企業‧海外進出⽀援企業を対象に実施したアンケートをもとに作成された「海外進出⽩書 2022-2023」を出典元にAIG損保で編集したものになります。

海外ビジネス⽀援プラットフォーム「Digima 〜出島〜」のページ(外部のサイトに移動します)

詳しくは「海外進出⽩書 2022-2023」をご覧ください。

輸出⼊‧貿易、販売代理店活⽤、市場調査など、他のニーズに関する考察もご覧になれます。

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