海外進出白書

アフターコロナの海外進出トレンド分析:ヨーロッパ

2024年7⽉2⽇ 公開

アフターコロナの海外進出トレンド分析(1) カギはインバウンド需要? 販路拡⼤先としての「ヨーロッパ」

ヨーロッパはコロナ禍の⽴ち直りが早かったことや、もともと持っているマーケットが⼤きいこともあり、コロナ禍には海外進出を検討した⽇本企業が増えました。どのような業種の企業が、どのようなビジネスチャンスを狙っているのでしょうか。

この記事は、AIG損保と海外ビジネス⽀援プラットフォーム『Digima 〜出島〜』(運営:株式会社Resorz)が協⼒して制作した「海外進出⽩書2022-2023」の中から、AIG損保が注⽬したトピックを⼀部編集してご紹介しています。

「海外進出⽩書2022-2023」をダウンロードする

ヨーロッパ進出企業の業種と課題とは

ヨーロッパへの海外進出を検討した企業の業種と⽬的(相談内容)を⾒てみましょう。海外進出動向調査の全体とヨーロッパのみを抽出したデータを⽐較することで、⽇本企業の進出動向を考察します。

⽇本企業の海外進出動向調査

調査概要:インターネット・電話による相談の集計・分析
調査対象:『Digima 〜出島〜』への海外進出に関する相談4,537件
調査期間:2022年4⽉~2023年3⽉

業種別に⾒ると全体と⽐べて「卸売・⼩売」「製造」の割合が⾼く、現地製造・現地販売も含めた販路拡⼤先として注⽬されていることがうかがえます。

海外進出検討企業の「業種別割合」(全体)

海外進出検討企業の「業種別割合」(ヨーロッパ進出検討企業のみ)

相談内容別の割合でも、その傾向が反映されており、「輸出⼊・貿易・通関」に関しての相談が多く、「CEマーク(※)」取得に関する相談も少なくありませんでした。

  • 「CEマーク」とは、EU(欧州連合)地域で販売される指定製品に貼付を義務付けられる安全マークのことです。

海外進出検討企業の「相談内容別割合」(全体)

海外進出検討企業の「相談内容別割合」(ヨーロッパ進出検討企業のみ)

また、販路拡⼤⽅法としては「営業代⾏・販売代理店探し」の割合が全体よりも減少し、「海外市場調査・マーケティング」「海外WEBプロモーション」の割合が⼤きくなっています。ブランディングなどを重視し、消費者に対しダイレクトに商品・サービスを届けようとする傾向が⾒られます。

インバウンドで認知を獲得して、アウトバウンドへ

⽇本企業にとってのヨーロッパの市場は、訪⽇観光客によるインバウンドニーズが⼤きく、それを起点としたアウトバウンドの流れが加速しています。インバウンドで商品を知ってもらい、それがアウトバウンド(海外展開)に繋がるという流れです。そうした海外展開においてプロモーションは重要です。実際の相談内容でも、下記のようなものが寄せられていました。

名前
卸売・⼩売業

弊社は、多種多様な⽇本のお酒を取り扱っており、⽇本国内ではECサイトにて販売しております。インバウンド需要増からか、⽇本のECサイトを通して、海外からお問い合わせ・ご注⽂をいただいており、アジアへ販売をしております。

今後、欧州に海外顧客を開拓したく、HPの多⾔語化や海外顧客向けプロモーションを強化したいと考えております。まずは、ご相談ベースとなりますが、ご提案いただけますと幸いです。

ヨーロッパ進出時に気をつけることとは

こうしたプロモーションの中で、⼀つ気をつけておかねばならないのが、個⼈情報保護の観点です。EUでは、2018年に「GDPR(General Data Protection Regulation:EU⼀般データ保護規則)」が適⽤されています。これは、EUが定めている個⼈情報保護に関するルールで、違反した場合には損害賠償や、EUに対する制裁⾦納付が課されます。きっちりと調査・対策の上、ヨーロッパでのビジネスを進めていくと良いでしょう。

いずれにしても、世界がコロナ禍から⽴ち直り、再び⽇本へのインバウンド需要が伸びている中、ヨーロッパからのニーズに気づく⽇本企業も多いはずです。ヨーロッパへの進出動向も今後、ますます注⽬です。

出典

本原稿および全てのグラフは、2022年4⽉〜2023年3⽉の期間に、海外ビジネス⽀援プラットフォーム『Digima 〜出島〜』へ寄せられた海外進出相談と海外進出企業・海外進出⽀援企業を対象に実施したアンケートをもとに作成された「海外進出⽩書 2022-2023」を出典元にAIG損保で編集したものになります。

海外ビジネス⽀援プラットフォーム「Digima 〜出島〜」のページ(外部のサイトに移動します)

詳しくは「海外進出⽩書 2022-2023」をご覧ください。

アメリカ、中国、ASEANなどの海外進出動向もご覧になれます。

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