「延⻑保証保険は企業が⾃社のブランド価値や信頼性を⾼め、エンドユーザーと⻑期的な関係を築いていくための企業のマーケティングサービスの⼀種です」。こう語るのはAIG損害保険 延⻑保証保険担当マネージャーの⼩袋倫⼦だ。グローバルから得た知⾒を⽣かしながら、⽇本企業のニーズやその先のエンドユーザーの個別体験に寄り添い、1社ごとに唯⼀無⼆の延⻑保証保険を設計するAIG損保独⾃の強みに迫る。
⽣活家電や住宅設備機器、通信関連機器をはじめとする幅広い製品に導⼊が進んでいる延⻑保証。メーカー保証期間終了後も⼀定期間にわたり、延⻑保証修理規約に基づいて製品の故障や不具合を無償で修理対応するサービスは、今や消費者にとってなじみのあるものとなった。
AIG損保が延⻑保証保険事業を拡⼤したのは2020年。その前年に社内プロジェクトが発⾜し、⽇本市場における最新のニーズ調査やビジネスプランの策定が本格的に始まった。
中⼼メンバーとして参画したのが、延⻑保証保険担当マネージャー/アンダーライターを務める⼩袋倫⼦だ。現在はグローバルテック企業や⼤⼿量販店、⾦融業界など幅広い⼤企業・中堅企業のお客さまに向けて、延⻑保証保険導⼊を⽀援している。
「延⻑保証保険というカテゴリをより⼤きなビジネスへと成⻑させるにあたり、AIG損保としてどのような独⾃性を発揮できるのか、その根拠について社内から理解を得ることが最初の⼤きな壁でした」
理解を得るために⼤きな⽀えとなったのが、グループ会社であるテックマークジャパンの存在だった。
「同社が30年以上にわたり延⻑保証制度を設計・開発、運営してきた実績があること、1億5,000万件以上のデータを蓄積してきたことなどが信頼の裏付けになりました。また、アメリカを中⼼に、各国にあるAIG拠点から共有してもらった製品ごとの事故頻度のデータや保証設計の実例をもとに、⽇本向けのソリューションを磨き上げていきました」
⼩袋はこうしたグループ会社やグローバルとの密な連携こそが、AIG損保が⾃信を持って提供する延⻑保証保険の礎になったと振り返る。
AIG損保の⼤きな強みは、グローバル企業ならではの多種多様な情報網とそこから得た知⾒を応⽤し、⽇本での商品設計に⽣かせる環境にある。各国の⽂化や事情によって故障や盗難の発⽣頻度などに違いはあるとしても、グローバルの事例を横断的に参照、もしくはデータマイニングすることで、精度の⾼いリスク分析と保険料算出が可能になる。
「年に数回、各国のアンダーライターがレビューし合う場に参加して、他国で設計された延⻑保証保険の事例を学んでいます。⽇本にそのまま導⼊できなくても、そこで得た気づきを業務に役⽴てています」
国内では前例のなかった商品の延⻑保証保険も、補償を引き受けていたAIGの海外拠点からデータを提供してもらい、⽇本での提案に必要な裏付けを得て商品設計に⾄った。このような流れでの商品設計は枚挙に暇がない。
加えて、⼩袋⾃⾝の丁寧なコミュニケーションも商品の品質維持に⼤いに貢献している。商品設計に必要な情報の収集をエンドユーザーに近い保証会社任せにするのではなく、延⻑保証保険を導⼊する企業の営業戦略や商品開発の担当者などから直接ヒアリングをする。「エンドユーザー体験を起点にどのような保証が必要か」を企業と共創し、各商品・サービスやブランド戦略に適した保証設計の追求に全⼒を尽くす。
「『エンドユーザーはどんなサポートを受けられると嬉しいのか』『どのような体験がブランドの価値・信頼向上につながるのか』。そうした問いを軸に、保証の話だけに終始することなく、最終的にはエンドユーザーから求められる延⻑保証保険につなげられるよう、お客さまや保証会社の⽅々と⼀緒に組み⽴てています」
AIG損保の延⻑保証保険はパッケージ型ではなく、企業ごとにゼロから設計するフルカスタマイズ型だ。商材の特性や提供体制、販売チャネル、顧客層、価格帯、故障頻度、販売戦略などが異なれば、必要とされる保証設計もまったく異なる。だからこそ、⼩袋は各企業の担当者と丁寧に対話を重ね、その企業だからこそ提供できる延⻑保証保険を⼀社ごとに構築していく。
補償内容だけでなく、商品販売時の説明資料、販売員へのトレーニングやオペレーションフロー、導⼊タイミングまで含めて最適化する必要があるため、制度構築から販売開始までには⼀般的に1年ほどの期間を要する。延⻑保証保険は「あればいい」ものではなく、「その企業や商品に合っていなければ提供できない」という実務的な現実があり、準備には相応の時間がかかる。AIG損保はお客さまの声に向き合いながら、唯⼀無⼆の延⻑保証を企業とともにつくり上げている。
この在り⽅は、⼩袋が「過去の失敗」と⾃覚するエピソードから得た学びが元になっている。延⻑保証保険を担当し始めた当初は、以前に賠償保険のアンダーライターをしていた経験から、リスクの定量化や損失額の平準化など、数字に焦点を当てた話をしていた。しかし、延⻑保証保険においては、そのようなアプローチでは企業との対話があまり噛み合わなかった。
リスクや数字の話に偏るのではなく、エンドユーザーにとっての理想の体験にフォーカスして話を進めることが重要だと気づいてからは、消費者がどんな場⾯で不安を感じ、どのようなサポートがあればその企業の価値向上、信頼につながるのかといった視点から、必要な保証内容や提供できるサービスを組み⽴てるようになった。
「延⻑保証保険というと、故障したら修理をするだけのシンプルな仕組みを提供しているだけに⾒えるかもしれません。しかし、それ以上の意味や価値があるサービスです。壊れたときに丁寧なサポートを受けたというエンドユーザーの体験は、ブランドや企業に対する信頼につながり、その後リピート購⼊に発展する可能性もあります」
延⻑保証保険は当社のお客さまとその顧客との接点創出の⼤切な機会になり、顧客と⻑期的な信頼関係を築くための仕組みであると⼩袋は確信している。
「加えて、延⻑保証保険は環境配慮の観点からも意義があります。ものを⼤切に使うという価値観が広がる今、企業の姿勢としてこうしたサービスを導⼊することは、サステナビリティの実現や企業イメージのさらなる向上にもつながるはずです」
AIG損保は延⻑保証保険という仕組みを通じて、お客さまとその顧客のより良い関係を育み、持続可能なビジネスの未来を⽀えていく。
⼩袋 倫⼦(おぶくろ ともこ)
AIG損害保険株式会社
⼤企業・中堅企業セグメント保険部⾨ 延⻑保証保険担当マネージャー/アンダーライター
2006年に旧富⼠⽕災海上保険株式会社に⼊社。賠償保険や経営保険のアンダーライターなどの経験を経て、2020年より現職。現職では、AIG Global Warrantyチームと密に連携し、⽇本の市場ごとの嗜好や規制に合わせた商品づくりを推進。市場調査から商品設計、保証運営会社との協業まで幅広く携わり、お客さまにとって「新たな価値」となる商品づくりを⼼がけている。
本記事の内容は、2025年10⽉時点の事実に基づき記述しています。記事内の数値や部署名または⼈材の所属は現在の内容と異なる場合がございます。なお本記事は、Forbes JAPAN BrandVoiceへ寄稿した記事です。より多くの⽅にご覧いただくため、当社ホームページに掲載しています。
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