2026年7⽉24⽇ 公開
建設業の経営者や安全衛生管理を担当されている皆さま、今年度の熱中症対策はすでに万全でしょうか?近年、記録的な猛暑が常態化する中で、屋外作業が中心となる建設現場での熱中症対策は、従業員の命を守る最重要課題です。さらに、熱中症は個人の健康被害にとどまらず、重大な労災事故や第三者を巻き込む賠償事故に直結する大きなリスクをはらんでいます。
本記事では、AIG損保の最新データや法改正の動向を踏まえ、建設業において今すぐ見直すべき熱中症リスクと、義務化された対策のポイントについて解説します。詳細な情報や対策のポイントをまとめたチラシもご用意しておりますので、ぜひ事業継続の取組みにお役立てください。
気温31~35度が最も危険!データが示す熱中症と事故の関係
AIG損保の事故データをもとに事故当日の最高気温と事故発生件数の割合を分析した結果、「気温31~35度」の気温帯において最も事故リスクが高まることが明らかになっています。これを受けてAIG損保では「気温26~30度」は注意レベル、「気温36度以上」は作業中止判断の目安として提示しています。また、気温が30度を超える日や、急激な気温上昇時には、労災事故だけでなく第三者賠償事故が生じるリスクも考慮する必要があります。
また、同データから熱中症による労災事故や賠償事故の月別発生件数割合を見ると、6月から9月にかけて集中的に発生しており、特に7月と8月にピークを迎えます。高温多湿な工事現場では、作業員の集中力や判断力が著しく低下しやすくなります。その結果、作業ミスが誘発され、従業員自身のケガだけでなく、現場周辺の通行人や近隣住民を巻き込む第三者賠償事故につながるおそれがあるのです。
2025年6月より熱中症対策は「罰則付き義務」へ
2025年(令和7年)6月1日に施行された改正労働安全衛生規則により、特定の条件下における熱中症予防措置が「義務化」されました。
具体的には、「WBGT(暑さ指数)28度以上」または「気温31度以上」の環境下において、連続1時間以上、または1日4時間超の作業の実施が見込まれる場合、事業者は熱中症予防措置を講じなければなりません。この義務に違反した場合、「6か月以下の拘禁刑または50万円以下の罰金」という厳しい罰則が科される可能性があります。事業継続の観点からも、管理体制をしっかりと整えることが急務です。
必要な熱中症対策と見落としがちな「2つの視点」
厚生労働省は、毎年5月から9月を「STOP! 熱中症クールワークキャンペーン」期間と定めており、事業者に対して重点的な対策を呼びかけています。
基本的な対策としては、まず「暑さ指数の把握と評価(JIS規格に適合した暑さ指数計による随時把握)」を行い、測定した指数に応じて以下のような対策を徹底することが求められます。
- 暑さ指数の低減および休憩場所の整備
- 服装の検討および作業時間の短縮(作業計画に基づく休憩や作業中止)
- プレクーリング(作業開始前や休憩時間中に深部体温を下げる)
- 水分・塩分の定期的な摂取(携行させる等の工夫)
- 暑熱順化への対応(熱に慣らすため7日以上かけて作業時間を調整)
- 健康診断結果に基づく対応(疾病を持つ方への医師等の意見を踏まえた配慮)
- 日常の健康管理(朝食摂取、十分な睡眠、適度な飲酒量の指導など)および作業中の健康状態の確認(頻繁な声かけ、バディ制など)
- 異常時の対応(連絡体制・対応手順等の周知徹底)
出典:厚生労働省 令和8年「STOP!熱中症クールワークキャンペーン」
さらに、熱中症対策において見落としがちな「2つの視点」があります。
- 第三者賠償事故への備え
熱中症による意識レベルの低下は、重大なミスを引き起こし、現場周辺の通行人や近隣住民への事故など第三者への損害賠償事故に発展するリスクがあります。従業員の労災対策だけでなく、企業としての賠償リスクにも備える必要があります。 - 24時間/フルタイムの備え
熱中症は、日中の炎天下の作業中だけで発症するわけではありません。夜間や自宅にいる間でも発症するケースがあり、命に関わる事態になることもあります。事業継続の観点から、業務時間外も含めた従業員のヘルスケアが重要です。
万が一のリスクに備えるAIG損保のソリューション
いくら対策を徹底していても、予期せぬ事故が起きてしまう可能性はゼロではありません。万が一の事態が発生した際に、企業を守り、従業員とその家族をサポートするための体制づくりも重要です。
AIG損保では、建設業の皆さまの熱中症リスク対策をサポートする各種保険サービスをご用意しています。
- 企業向け賠償責任保険(解決援助サービス):万一の事故が発生した際、紛争解決をサポートします。
- ハイパー+ plus Baton(プラスバトン):大切な社員とそのご家族のためのヘルスケアサポートサービスです。
本記事でご紹介した熱中症リスクの詳細なデータや、法改正のポイント、具体的な対策内容をわかりやすくまとめたチラシをご用意しております。従業員の安全確保と、安心して事業を継続するためのリスク管理の一環として、ぜひご活用ください。