-
自然災害とは異常な自然現象によってもたらされる災害のこと -
自然災害の種類 -
「自助」「共助」「公助」の3つの「助」 -
企業は「自助」や「共助」を強化する -
自然災害の特徴を把握し備えを万全にしよう
自然災害は、いつどのように発生するのかが予測困難なことが多く、ときに甚大な被害をもたらします。企業にとって、これら自然災害に対する備えは、経営の持続性を左右する重大な課題です。
ここでは、日本国内で発生しやすい自然災害として、地震災害、気象災害、火山災害、土砂災害の4つをピックアップし、それぞれの基本的な特徴のほか、企業として取り組む災害対策についても解説します。
自然災害とは異常な自然現象によってもたらされる災害のこと
自然災害とは、地震、大雨、台風、火山噴火といった異常な自然現象によってもたらされる災害を指します。
自然災害は自然現象が直接的な原因となりますが、地形や地盤条件、気候といった自然素因と、人口や建造物といった社会素因の組み合わせによって、さまざまな災害やそれらによる被害が生じます。
なお、自然災害に対し、人間の活動が直接的な原因となって引き起こされる災害は、人為災害です。例えば、大気汚染や水質汚濁などの公害、車や電車、飛行機などの事故、火の不始末や放火による火災などは、すべて人為災害に該当します。
自然災害の種類
では、自然災害にはどのような種類があるのでしょうか。ここでは主に4つの自然災害について解説します。
地震災害
地震災害は、地震が原因となって起きる災害です。地震は、地下の岩盤が周囲から押されたり、引っ張られたりしてずれることで膨大なエネルギーが発生し、地表に強い揺れを生じさせる自然現象です。地震の規模はマグニチュードで表され、ある場所における地震の揺れの強弱の程度は震度で表されます。
マグニチュードは地震の規模を表すため、大きな数字であるほど地震が大きくなります。しかし、マグニチュードの数字が小さくても、震源が浅いなどの理由から震度が大きくなることもあり、被害を受ける可能性が高まるため注意が必要です。一般的に、震度5強以上になると、固定していない家具が倒れたり、耐震性の低い建物が損壊したりといった被害が見られるようになります。このほか、地震災害には、地盤全体が液体のような状態になる液状化現象、海岸線に沿って大きな波が押し寄せる津波、大きな揺れによる電気設備の損傷やガス管の破裂から発生する地震火災などがあります。
地震災害については、こちらの記事をご覧ください。
気象災害
気象災害は、大雨、台風、洪水、高潮、竜巻などの気象によって発生する災害です。これらの気象は自然環境だけでなく、人間の生活や社会基盤に深刻な影響を及ぼすことがあります。
特に台風は、毎年7月から10月のあいだで日本に接近または上陸して被害をもたらします。台風は直径が数百キロメートルにもなる大気の渦であるため、広範囲にわたる暴風や大雨を伴いながら移動するのが特徴です。台風による強い風と降雨は、地域によって土砂災害などを引き起こす原因となり、台風が消滅した後も、長期にわたって多大な被害をもたらすことがあります。
気象災害については、こちらの記事をご覧ください。
火山災害
火山災害は、火山の活動によって発生する、溶岩流や火山噴出物といった自然現象が原因で起こる災害のことです。中でも火山の噴火は、短時間のうちにさまざまな種類の災害を引き起こす可能性があります。
例えば、噴火に伴って発生する大きな噴石や火砕流、火山泥流、溶岩流などは、避難までの時間的猶予が少なく、生命に対する危険性が非常に高い自然現象です。また、小さな噴石や火山灰、火山ガスなどは、広範囲に広がって健康への悪影響を及ぼします。火山災害の発生頻度は、一部の火山を除いてそれほど高くありませんが、ひとたび噴火が発生すると大規模な被害が生じる可能性があります。
火山災害については、こちらの記事をご覧ください。
土砂災害
土砂災害は、山や崖が崩れたり、崩れた土砂が雨水や川の水と混じって流れたりして起きる災害です。土砂災害は、しばしば突発的に発生し、規模が大きい場合には建物が押しつぶされたり、人命が奪われたりするなどの深刻な被害をもたらします。
土砂災害は主に、急斜面を流れ下る水が土砂を巻き込みながら高速で流れる土石流、斜面が重力の影響で下方に滑る地すべり、斜面の土や岩が崩れ落ちる崖崩れの3つに分類できます。土砂災害の発生頻度は非常に高く、2023年は43の道府県で1,471件の土砂災害が発生しています。
出典:「令和5年の土砂災害」(国土交通省)
土砂災害については、こちらの記事をご覧ください。
「自助」「共助」「公助」の3つの「助」
災害対策に必要な3つの「助」とは、「自助」「共助」「公助」のことです。3つの「助」が連携し組み合わさることで、災害時に迅速な人命救助や地域の復興が促進されます。
■「自助」「共助」「公助」の連携イメージ
自助
自助とは、個人や家族が自分たちの命を自分で守ることを指します。災害時に身を守るための準備や知識などが該当します。企業にとっての自助とは、自社で従業員の命を守り、事業を継続させること、またそのための備えが自助です。
共助
共助は、地域や組織、グループ間で支え合うことを意味します。平時から互いに助け合う共助の体制を整えておくことで、災害時の連携を強化することが可能になります。
公助
公助は、政府や自治体、行政機関が行う公的な救助や支援活動のことです。災害時の救助、ライフラインの復旧、情報提供などが挙げられます。
企業は「自助」や「共助」を強化する
災害対策に必要な3つの「助」のうち、企業が取り組む対策としては、「自助」と「共助」の強化が挙げられます。具体的な対策は以下のとおりです。
事業継続力強化計画(BCP2.0)の策定
事業継続力強化計画(BCP2.0)とは、自助の強化につながる取り組みで、企業が自社の災害リスクを認識し、防災・減災対策の事前準備を行うために必要な項目を盛り込んだ計画です。
事業継続力強化計画(BCP2.0)は従来の事業継続計画(BCP1.0)とは異なり、計画づくりよりも事業継続力の獲得と継続的な改善が重視されます。この事業継続力強化計画(BCP2.0)を策定した中小企業は、事業継続力強化計画の認定制度によって経済産業大臣から認定されると、防災・減災設備に対する税制優遇や金融支援、補助金の優先採択などの支援を受けられます。
出典:「事業継続力強化計画」(中小企業庁)
災害リスクに対応したファイナンス戦略の策定
災害リスクに対応したファイナンス戦略の策定も自助の強化として非常に重要です。自然災害による被害を見越して計画的に資金を確保したり、損害保険に加入したりすることで、被害からの迅速な復旧を実現することが可能になります。
地域企業との連携
共助を強化するには、地域内のほかの企業や組織との連携が不可欠です。そのためには、まず自助を強化し、地域に貢献できる体制を整えて、相互に協力しあえる体制を準備しましょう。例えば、自助の強化として災害用に備えた備蓄や機材などを、自社だけではなく地域全体でも使えるように準備します。そのうえで、備蓄共有や情報交換といった、相互支援を可能にする企業同士のネットワークを確立することが大切です。
自然災害の特徴を把握し備えを万全にしよう
自然災害の種類について整理し、それぞれの災害の特徴を把握しておくことは、災害発生時の被害を抑える第一歩となります。本記事で紹介した4種類の災害や、事業継続力強化計画(BCP2.0)についてより詳しく知りたい方は、リンク先の記事も併せてご覧ください。
<自然災害と企業ができる備え>
地震災害とは?南海トラフ地震などに備えて企業ができる対策を解説
気象災害とは?台風や豪雨への備えなど企業ができる災害対策を解説
<事業継続力強化計画(BCP2.0)について>
<企業が行うべき安全配慮義務>
MKT-2024-517
BCPのはじめの一歩 事業継続力強化計画認定をAIG損保がサポート >>
「ここから変える。」メールマガジン
経営にまつわる課題、先駆者の事例などを定期的に配信しております。
ぜひ、お気軽にご登録ください。
関連記事
パンフレットのご請求はこちら
保険商品についてのご相談はこちらから。
地域別に最寄りの担当をご紹介いたします。
- おすすめ記事
- 新着記事