大地震は、いつ起こるかわかりません。会社での仕事中に大地震が発生する可能性も十分に考えられます。大地震のような大規模災害が起こっても、経営者として社員の安全を確保し、事業を継続できるような準備を整えておく必要があるでしょう。そのため、いざというときに備え、会社にも避難時の持ち物をしっかり準備しておかなければいけません。また、持ち物を準備するだけでなく、防災担当者を決めて避難訓練などを定期的に行うことも大切です。

この記事では、会社での仕事中に大地震が起こったときの社員に周知しておくべき行動や、会社に備えておきたい防災グッズリストについて解説します。

会社にいるときに大地震が発生したらどうする?

地震が発生したときに最も大切なのは、社員が自身を守ることです。会社にいるときに大地震が起こった際に備え、以下の対応を社員に周知するようにしましょう。

身の安全を確保する

地震が起こったら、まずは自分の身の安全を確保することを第一に考えます。会社には大きな棚やオフィス機器があり、それらが落下したり倒れたりすることで、ケガをする可能性があります。揺れを感じたらすぐに窓や棚から離れ、机の下に隠れるなどして頭と体を守ることが大切です。

ヘルメットなどの備えがあれば、すぐにかぶって頭部を守ります。ヘルメットがなければ、鞄や本、クッションなど、近くにある物を使いましょう。

火の元を確認する

揺れがおさまったら、火の元の確認をします。一般的なガス給湯器は、強い揺れを感知するとガスメーター(マイコンメーター)が作動して使用できなくなりますが、二次災害を防ぐためにも給湯室などの火の元を確認し、ガスの元栓は閉めてください。

また、地震の影響により停電してから電力が復旧後、再び電気が通った時に出火する「通電火災」が起こることも考えられます。停電発生時の避難の際には、防災担当者など予め担当者を決めてブレーカーを落とすようにしましょう。

外への避難が必要であれば避難経路から避難する

会社の外に避難が必要な場合は、あらかじめ決められている避難経路で、避難場所へ移動します。このとき、落下物によるケガなどを防ぐため、ヘルメットや鞄などで頭を守りながら移動することが大切です。

なお、外に避難するときはエレベーターではなく、階段を使ってください。大きな揺れが起こると、エレベーターは自動的に最寄りの階に止まり、その後は技術者の点検を受けるまで使えなくなります。高層階にオフィスがある場合も、エレベーターは使わず階段で移動する必要があります。

避難時に持ち出すべき物をリストでチェック!

大地震から社員の身を守り、被害を最小限に食い止めるには、地震への対策も重要です。災害対応マニュアルを策定して社員に周知したり、定期的な避難訓練を実施したりする取り組みが求められます。

また、避難する際の持ち物を社内であらかじめ準備しておくことも重要です。大地震など災害が起こったときにはすぐ持ち出せるように、持ち物を非常用持ち出し袋にまとめておくようにしましょう。非常用持ち出し袋は、移動時に両手が空くリュック型をおすすめします。

なお、最低限準備しておきたいものとしては、水、食料、防災用ヘルメット、衣類、懐中電灯、携帯ラジオ、電池・充電器、救急用品、歯ブラシやタオルなどの衛生用品が挙げられます。その他もしっかり準備しておくことが望ましいですが、中には代用できるものもあります。例えば、新聞紙があれば、ブランケットやシートの代用として使うことも可能です。

ここでは、避難時に備えて用意しておきたい持ち物を一覧表にしてご紹介します。いざというときのために、防災担当者とともにどのように準備したらいいかを検討し、しっかり準備しておきましょう。

■避難時の持ち物リスト

1. 会社で備えておきたいもの

飲料水の備蓄は、1人1日3Lを目安に、最低でも3日分が必要だといわれています。しかし、避難時に3日分の水を持ち運ぶのは難しいため、非常用袋にはペットボトル1、2本程を用意しておきます。

食料

非常時の食料も、3日分の準備が推奨されています。アルファ米や乾パン、クラッカー、チョコレート、レトルト食品など、日持ちが良くおなかに溜まりやすい物をおすすめします。

防災用ヘルメット

特に高層ビルが並ぶオフィス街などでは、移動中に上から物が落ちてくる危険性があります。落下物から頭を守るために、防災用ヘルメットが重要な役割を果たします。

レインウェア

移動中や避難先で、雨が降った場合の備えが必要です。手がふさがってしまう傘よりも、レインコートなどを用意します。

懐中電灯

地震によって停電が起こった場合、夜間の光を確保するために懐中電灯は必須です。ソーラー充電式や手動充電式のものが理想的です。念のため、マッチとろうそくも用意しておきます。

携帯ラジオ

被災時の情報収集に頼りになるのがラジオです。大地震が起こると、テレビやインターネットはつながらなくなる可能性があります。ソーラー充電式または手動充電式の携帯ラジオがおすすめです。

電池・充電器

懐中電灯などの予備の電池と、スマートフォンのモバイルバッテリーを準備しておきます。モバイルバッテリーは、USB充電ではなく電池式のものが良いでしょう。

救急用品

ケガをしたときに応急処置ができるように、消毒液や絆創膏、包帯などを準備しておきます。持病がある場合はその薬も必要です。

使い捨てカイロ

避難先が公園など屋外の可能性もあります。使い捨てカイロがあると防寒に役立ちます。

ブランケット

ブランケットがあると、体に掛けたり床に敷いたりと、さまざまな使い方ができます。

軍手

地震後は、棚が倒れたりガラスが割れたりすることがあるため、素手で取り除こうとするとケガをする可能性があります。

洗面用具

避難先で顔を洗えないと不衛生です。水が不要な石鹸など、洗面用具も必要になります。

歯ブラシ

洗面用具と同様に、歯ブラシや歯磨きシートなどを備えておくと安心です。

タオル

タオルは、顔や体を拭いたり、直射日光を避けたりするのに使います。

感染症対策用品

感染症対策のマスクや消毒用アルコール、ウェットティッシュなどもあるといいでしょう。

ペン・ノート

ペンやノートは、さまざまな情報や伝言などを記録するために必要です。

2. 社員自身で備えておきたいもの

衣類

地震の規模によっては、会社から避難所などに移動し、しばらく自宅に帰れない可能性もあるため、非常袋には替えの衣類や下着を備えておきます。女性は生理用品やサニタリーショーツも用意しておきましょう。

運動靴

仕事中に履いていることの多い革靴やパンプスなどは、避難には不向きです。長時間歩く可能性を考え、運動靴を準備しておきましょう。

企業が行うべき地震対策については、下記の記事もご覧ください。

地震から社員を守るため、企業が行うべき対策は?

大地震に備えて避難時の持ち物の準備とBCPを

大地震をはじめとした災害から身を守るには、日頃の備えが重要です。いざというときに慌てることなく避難ができるよう、必要な持ち物をひとまとめにして定期的にチェックするような社内体制を整えましょう。

また、大地震のような災害が起こると、設備が被害を受けたり、情報共有が難しくなったりすることが考えられます。災害が起こっても事業を継続できるよう、大規模な災害を想定したBCP(事業継続計画)の策定・周知も必要です。災害から社員を守り、事業を継続させるためにも、災害に対して企業としてできる限りの備えを心掛けてください。

 

企業の事業継続力強化については、下記の記事をご覧ください。

【専門家解説】これからの事業継続力強化(BCP2.0)とは

MKT-2022-525

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