働き方改革の浸透などを受けて、リモートワークが社会に広がっています。同時に、Web会議が行われる機会も増えています。しかし、オフラインの対面会議とは勝手が違うだけに、Web会議ではどのように振る舞えばいいのか、戸惑っている方もいるのではないでしょうか。

ここでは、社内でのWeb会議をスムーズに進めるためのポイントと、Web会議におけるマナーをご紹介します。

社内でのWeb会議の基本的なルールを決めておく

Web会議は対面会議に比べて、互いの空気感や会話の間などが伝わりづらい環境です。そのため、思いもよらない要素が会議の進行に影響を及ぼしたり、意図に反して相手に悪印象を与えてしまったりする場合もあります。

そのような事態を避け、Web会議をスムーズに進めるためには、基本ルールの共有が必要です。入退室時の挨拶といった基本的な事項については、会社として統一ルールを作っておくのがおすすめです。

 

Web会議でどのような振る舞いが正解と考えるかは、人によってばらつきがあります。社内で統一されていないと、対外向けのWeb会議における印象が悪くなる可能性もありますので、基本的な事項についてはルールで定めておきましょう。

社内でのWeb会議の統一ルールを作る際のポイント

社内でのWeb会議の統一ルールづくりで押さえておきたい基本事項は、カメラのオン/オフ設定、参加者の表示名、冒頭の挨拶のタイミングなど、複数あります。

続いては、スムーズなWeb会議を実現する上で統一したいルールをご紹介します。

カメラはオンにしたほうが意思疎通を図りやすい

ビジネスの打ち合わせでは相手の顔を見ながら話したほうが安心感を得られるため、カメラは原則オンとするのがおすすめです。通信状況の問題でカメラが使えない場合は、カメラをオフにする理由を相手に明確に伝えるようにしましょう。

最初に所属と氏名を名乗る

Web会議の参加者の画面に表示される名前は本名とし、所属部署も併記するようにします。加えて、入退室の際は必ず相手に挨拶をし、最初の発言の際に自分の所属部署と氏名を名乗るルールを設けておきましょう。そうしておけば、会議中に誰かが発言する際も、どの立場の人が発言しているかがわかりやすくなり、会議の進行がスムーズになります。

入退室時に挨拶する

会議が始まるときはもちろん、終了したときも、挨拶をしてから退室することをルール化しておくのがおすすめです。社内での会議でしっかりと挨拶ができていることで、社外会議の際に、自然と挨拶を行うことができ、自社の好感度のアップにもつながるのではないでしょうか。

また、会議の途中でやむなく離席する際は、できるだけ話を遮らないようにして離席する旨を伝えたり、チャット機能があればそこに一言連絡したりするといいでしょう。

複数名が参加する会議では、発言は指名制にする

参加人数が多い会議では、それぞれが発言しやすい環境を作ることが大切です。参加者の発言数に偏りが出ないように、参加者の意見を引き出すファシリテーターが、発言者の指名を担当するといいでしょう。

また、手を挙げる機能があれば、ファシリテーターが手を挙げた人を指名するという方法もあります。

Web会議の前に準備すべきこと

Web会議に参加する前に準備すべきことは、自分が開催するWeb会議の場合と、参加者の一人として参加する場合で異なります。それぞれの立場別に、準備すべきことを見ていきましょう。

自分がWeb会議を開催する場合

自分がホストとして、社内会議や社外会議を主催する場合は、システム面と進行面の両方に気を配る必要があります。具体的なチェック項目は次のとおりです。

 

・招待用URLから入室できるかチェックする

参加者に送ったWeb会議の招待用URLから問題なく入室ができるか、事前にチェックしておきます。

 

・招待者に漏れがないかチェックする

Web会議では、「招待メールを参加者全員に出したつもりが、一部届いていなかった」といったトラブルで、招待漏れが発生することがあります。参加すべき人全員が出席できるかどうか、しっかり確認しておきましょう。

 

・機器の接続に問題はないかチェックする

Web会議では、通信回線やカメラ、マイク、スピーカーなどのトラブルが起こりがちです。事前にテストを行い、機器の接続に問題がないかチェックしてください。

 

・会議テーマの資料を参加者に事前共有する

Web会議が始まってから資料を示し、会議のテーマを説明するのでは、余計な時間がかかってしまいます。Web会議の参加者には事前に資料を送り、会議テーマを共有しておきましょう。

 

・ITが苦手な人にも配慮する

Web会議に初めて参加する人やITが苦手な人には、操作方法のサポートなどが必要な場合もあります。Web会議の冒頭で、ファシリテーターが操作方法やルールについて共有しておくと、参加者の不安も取り除けるでしょう。

 

・終了時間を決めておく

対面会議でも同様ですが、Web会議の終了時間が決まっていないと、ダラダラと話し合いが続いてしまいがちです。会議の生産性を高めるためにも、終了時間を事前に定めておくことが大切です。

また、設定した終了時間にWeb会議が終了するよう、ファシリテーターがタイムマネジメントするようにしましょう。

 

・会議の目標を共有する

Web会議を生産的なものにするには、参加者全員が会議の目的や目標を共有しておくことも大切です。司会者やファシリテーターが会議の目標や目的を強く意識しておけば、会議中に論点がずれてしまったときも、スムーズに軌道修正できます。

Web会議に参加者として参加する場合

一人の参加者としてWeb会議に参加する場合は、会議にスムーズに参加できるよう、基本的な事柄に注意しておけば十分です。具体的には、下記のようなポイントをチェックしておきましょう。

 

・事前に資料に目を通す

Web会議の前には、資料に目を通しておくことで自分の意見も出しやすくなりますし、会議にスムーズに参加できます。この点は、対面会議と同様です。

 

・Web会議への接続テストや、カメラ、マイクのテストをしておく

Web会議に正常に接続できなかったり、カメラ、マイクが不具合を起こしたりすることは、参加者側にもよく起こるトラブルです。Web会議の前には各種設定を確認し、接続テストをして問題がないかチェックしておきましょう。

また、トラブルがあった場合でも余裕を持って対処できるよう、Web会議の開始時間よりも早めに参加しておくことをおすすめします。

 

・名前の表示をチェックする

Web会議に利用するツールを私的な通信にも使っている場合、自分の表示名がプライベート時の通信のままになっていることがあります。自社の所属名と正しいフルネームが表示されているかどうか、会議前に確認しておきましょう。

 

・静かな場所でWeb会議に参加する

Web会議中に生活音や周りの音が聞こえると気になってしまう人もいるので、Web会議にはできるだけ静かな場所で参加するのがおすすめです。自宅や出先でオフィス並みの環境を整えることは難しいですが、できる限り周囲の音が入らない場所から参加しましょう。

 

・ビジネスにふさわしい服装と身だしなみを整える

ベッドから起きてすぐにでも参加できるのはWeb会議のメリットですが、ビジネスシーンであることを考えると、パジャマや普段着で参加するのはNG行為です。職種や社風にもよりますが、基本的にはビジネスカジュアルの服装を身に着け、寝癖は直す、ヒゲはそるといった最低限の身だしなみを整えておきましょう。

Web会議で気をつけたいマナーとは?

Web会議は対面の会議に比べると、空気感や対話の間といった情報が伝わりづらい環境です。Web会議を円滑に進めるには、話し方や聞き方、発言のタイミングといったマナーへの注意も必要となります。

具体的に気をつけたいWeb会議のマナーには、下記のようなものがあります。

人の発言中はミュートにしておく

自分のマイクをオンのままにしておくと、体の動きやパソコンのタイピング音、飲み物を飲んだときに出る音などをマイクが拾ってしまいます。それらの音は、ほかの人の発言を妨げてしまうおそれがありますので、自分が発言するとき以外は、忘れずにマイクをミュートにしておきましょう。

うなずく動作などであいづちを打つ

Web会議の発言者は、自分の発言に対してほかの参加者からリアクションがないと、きちんと内容が伝わっているのか不安になります。参加者は、きちんと話を聞いていることを相手に伝えるためにも、大きくうなずくなど、意識的にあいづちを打つといいでしょう。

その際、聞き手が声を出すと、発言者の発言を邪魔してしまう可能性がありますので、マイクはミュートにしたまま大きくあいづちを打つことを心掛けてください。

発言のタイミングを配慮する

Web会議では、通信回線の原因によるタイムラグが発生するなど、自分が話し出すタイミングをつかむのが難しい場合があります。複数名が同時に発言をしてしまうといったケースも珍しくありません。

発言のタイミングが被るのを避けるためには、発言をする前に「ちょっといいですか?」などの一言を添えるのがおすすめです。そのタイミングが第三者と被った場合は、いったん相手に発言を譲り、相手の話を聞きましょう。

時にはパソコンのカメラを見ながら話す

Web会議中、参加者の目線はパソコン画面に映っている個々の参加者の顔に向かいがちですが、相手側の視点だと、常に下や横を向いているように映ってしまいます。

時にはパソコンのカメラのレンズを見て話すと、対面でのコミュニケーションのような雰囲気を作ることができ、相手の注意を引きつけることにもつながります。

ゆっくりはっきり話す

ウェブ経由の会話は、対面よりも音が聞き取りづらくなるので、日常の会話よりゆっくり、はっきりと話すのがおすすめです。伝えたい内容が長くなるのも避け、言いたいことを簡潔に伝えるように心掛けましょう。

発言の始め、終わりを明確にする

Web会議では、対面会議に比べて発言の始めと終わりが不明確になることがあります。自分の発言の始めには、「発言してもいいですか?」「ちょっといいですか?」などと前置きをし、発言の終わりには「以上です」と伝えることで、Web会議参加者の余計な待ち時間がなくなり、進行がスムーズになります。

接続機器のトラブルがあればチャットで知らせる

事前にしっかりと機器チェックをしていても、Web会議中に音声が聞こえなくなったり、通信が途切れたりすることはあります。突然、通信が途切れた場合は、すみやかにWeb会議に入り直すしかありませんが、音声が聞こえなくなったなどのトラブルの場合は、チャット機能があればそこを使ったり、メールや他のチャットツールなどを使ったりしてほかの参加者に知らせましょう。そうすることで、参加者からの重要項目の聞き漏らしや、自分の意見の言いそびれを防ぐことができます。

背景にも気を配る

パソコンのカメラに対するチェックは、正常に作動するかだけでなく、自分の背景の映り込みにも注意が必要です。洗濯物など、他人に見せたくない私物が映り込まないようにするには、カメラの角度を調整するか、Web会議ツールに搭載されているバーチャル背景を活用しましょう。

自分の顔が相手に見えづらい場合は、ライトを自分の顔に向けたり、カメラの角度を変えて逆光を防いだりして、自分の画面が明るくなるように調整します。

Web会議ならではのメリットを活かそう

Web会議で求められるマナーは、Web会議をスムーズに進めるために必要なものばかりです。通信環境の事前チェックなど、対面会議では必要のない準備が求められますが、Web会議は画面の共有がスムーズに行えるといったメリットもあります。

Web会議の基本ルールとマナーを押さえておけば、対面会議よりも情報共有や意見の取りまとめがスムーズに進むこともあるはずです。これからの時代に必須となりつつあるWeb会議のルールとマナーを身につけ、ビジネスのコミュニケーションを豊かにしていきましょう。

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