1 はじめに

毎日長時間のデスクワークをこなしている従業員がいる企業では、経営者や上司が気をつけたいことのひとつに「慢性的な腰痛」があります。特に寒さがきびしい冬場は、体や筋肉が冷えて腰痛を引き起こしやすいので、普段以上に注意が必要です。
今回は、デスクワークと腰痛の関係、腰痛を引き起こす要因、会社側がいますぐできる腰痛予防についてご紹介します。

2 腰痛がもたらす仕事への影響

厚生労働省によると、腰痛は「休業4日以上の職業性疾病の6割を占める労働災害」とされています。特に重量物を取り扱う事業、看護・介護などの職種で発生しやすくなっていますが、長時間のデスクワークも慢性的な腰痛を引き起こすリスクを抱えています。
腰痛を抱えた従業員は、痛みやストレスから仕事に集中できなくなるため、十分なパフォーマンスを発揮できなくなります。また、通勤できないほど状態が悪化したり、通院に時間を割かれたりすることもあるでしょう。従業員が能力を十分に発揮するためにも、腰痛を引き起こすような作業環境や働き方は、改善する必要があります。

出典:厚生労働省HP 都道府県労働局 労働基準監督署「腰痛予防対策リーフレット」

3 腰痛と関連する複合的な要因

従業員が業務中に腰痛を引き起こす要因は、動作要因・環境要因・その他の要因の3つに分けられます。


●動作要因

重量物を頻繁に持ち運ぶ、腰を深く曲げたりひねったりする、長時間同じ姿勢で仕事をするなど、腰に大きな負担をかけやすい動作は腰痛の要因となります。従業員が仕事中に不自然な姿勢や動作をしていないか、デスクから離席する頻度なども含めて確認してみましょう。


●環境要因

体が冷えやすい、運転などによって体が振動に長時間さらされる、転倒リスクが高いなど、職場の環境が要因となり、腰痛を引き起こしてしまうケースもあります。


●その他の要因

休憩が取れない、帰宅後に満足な休養・睡眠(時間)が取れない、夜勤や残業が多いといったハードな働き方をしていると、疲労やストレスから腰痛を引き起こすことがあります。

出典:厚生労働省HP「腰痛対策」

4 会社ができる腰痛予防

従業員の腰痛予防として、会社としてどのようなことができるのでしょうか?ここでは、実践したい、4つのポイントを見ていきましょう。
 

● 作業環境の改善

「腰痛と関連する複合的な要因」でも紹介したように、作業環境の悪さは腰痛の要因になります。

  • 夏場は冷房がききすぎていないか
  • 冬場は適度に暖房がきいているか
  • 床や階段が滑りやすかったり、転びやすかったりする状態になっていないか
  • 職場内が乱雑で、安全な移動が困難でないか

いずれも、比較的容易に改善できることですから、早めに対応しましょう。
 

● 休憩方法の見直し

業務中は適宜休憩時間を設定し、同じ姿勢で長時間作業することのないようにしましょう。また、夜勤や交代制勤務の場合は、作業時間が昼勤よりも少なくなるよう配慮し、過労や長時間労働とならないようにすることも必要です。夜勤の場合は適切な仮眠時間を確保できるような体制づくりを検討しましょう。
 

● デスクワークでの座り方の改善

デスクワークの場合、椅子や座る姿勢への配慮が腰痛予防につながります。椅子の高さや背もたれの角度などは、使用者それぞれの体格に適したものとなるようにしましょう。

また、座り仕事の場合、PCをはじめとした作業対象物が「肘を伸ばして届く範囲にある」ことが、不自然な姿勢とならないためのポイントです。デスクの広さや椅子との間隔なども調整し、腰に負担のかからない姿勢で作業できることが大切です。

出典:厚生労働省HP 「職場における腰痛予防の取組を!」


● 冬のオフィスの寒さ対策

冬のオフィスは足腰が冷えやすくなるため、冷え性に悩む従業員や、腰痛を引き起こしてしまう従業員も少なくありません。暖房を調整したり、冷えやすい従業員にはひざ掛けやレッグウォーマーなどの使用を促したりするなど、経営(管理)側から冷え対策を推進しましょう。また、冷えて血流が悪くなることを改善するには、軽いストレッチや運動を推奨することもおすすめです。

5 おわりに

従業員の腰痛予防を実現するには、まず作業方法や作業環境を把握する必要があります。改善点を発見したときは、少しでも早く従業員の負担を減らせるようすばやく適切な措置をとることが大切です。
快適な職場環境の構築により従業員の健康を守ることは、業務の効率や生産性を上げることにもつながり、事業にも良い影響を与えることが期待できるのではないでしょうか。
いますぐ会社でできる腰痛予防に取り組んでみてはいかがでしょうか。

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