1 はじめに

長時間、ディスプレイに向かう仕事が増えた結果、現代人の目はとても疲れやすくなっています。パソコンでの作業のようにディスプレイを使って行う仕事をVDT(Visual Display Terminals)作業といいますが、厚生労働省は1985年にVDT作業に関するガイドラインを策定、2002年にこれを改訂するなど、比較的早い段階からこの問題を重視してきました。

しかし、その後スマホの普及が進み、パソコンに向かっていない時間帯も目をディスプレイに向けるようになったことで、いわゆる「眼精疲労」の問題は大きくなっています。そして、疲れた目のまま仕事をすることは、作業効率の悪化にもつながることから、事業者にとっても頭の痛い問題といえるでしょう。

出典:厚生労働省「VDT作業における労働衛生管理のためのガイドライン」

2 厚生労働省が推奨するオフィス環境とは

前述のガイドラインでは、VDT作業の内容を「データ入力・検索・照合」「文書・画像の作成」「プログラミング」「監視」などと規定し、次のような対策を行うよう促しています。

●照明と採光

室内はできるだけ明暗の対照が著しくなく、まぶしいと感じないようにする。また、ディスプレイの照度を500ルクス以下、書類やキーボード上の照度は300ルクス以上。ディスプレイに太陽光などがあたるときは、窓にブラインドやカーテンをする。

●グレア(まぶしさ)

反射防止ディスプレイを使用した上で、間接照明などでグレアを防止する。さらに、ディスプレイの向きも調整する。

●騒音

パソコンや周辺機器から不快な音が発生するときは低減措置を講じる。

このほかにも、換気を行うこと、湿度の調整をすること、静電気の除去、休憩するための設備を整えることなどが大切とされています。また、作業に使用するパソコンやデスク、イスなどについても推奨環境が細かく設定されていますが、現在販売されているパソコンやオフィス家具であれば、ほぼクリアできる内容といえるでしょう。

また、作業時間についても、「連続してディスプレイを見る時間を減らす」「1時間を超えるときは15分程度の休憩をとる」といったことが推奨されています。

3 注意してもなってしまうドライアイ

事業者が厚生労働省のガイドラインに沿うよう環境を整える努力をしても、日々の業務の中でそれを完全に達成することは難しいかもしれません。日々の業務の中で1時間おきに15分の休憩を取るのは現実的に難しいこともあるでしょう。しかし、そのように連続してディスプレイを見ることで『ドライアイ』になるリスクが発生します。

そのおもな症状は、以下のようなものになります。ひとつでもあてはまるようなら、ドライアイにかかっている可能性があります。

<ドライアイの可能性がある症状>

  • 目が疲れる
  • 目がしょぼしょぼする
  • 目がかすむことがある
  • なんとなく見づらいときがある
  • 目の違和感、乾きを感じる
  • 充血する
  • 視力が落ちたような気がする
  • 書類の文字にピントが合いにくい
  • 目の奥が痛む
  • 目が重く、目を閉じたい気持ちになる

ドライアイになった人は作業効率が落ち、年間3.5日分の時間を失っているという研究報告もあります。事業者にとっては、従業員の健康面だけでなく、経営面の問題にもなりますので注意が必要です。

出典:ドライアイ研究会「オフィスに潜む現代の病『ドライアイ』」

4 ドライアイは自助努力で防ぐことができる

オフィスで起きる眼精疲労の代表・ドライアイには、日頃からできる対策があります。以下の対策を実施するよう、呼び掛けてみるのはいかがでしょうか。

<オフィスで行うドライアイ対策>

  • 作業中にまばたきを増やし、合間にディスプレイを見ないで済む作業を挟む
  • ディスプレイの位置を下げるなどして、伏し目ぎみで作業できるようにする
  • 目元の湿度を保つ「保湿用メガネ」を活用する


<自宅で行うドライアイ対策>

  • 目元を蒸しタオルなどで温める
  • アイシャンプーなどで目元をきれいにする
  • ゆっくり湯につかり、良質な睡眠をとる

参考:参天製薬株式会社「93%が「仕事の効率低下を経験」… “IT 女子”が抱える目の悩み 真夏の疲れ目、コンタクトレンズユーザーにオススメの対策とは…!?」

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