海外旅行中にレンタカーでドライブを楽しむ人がいる一方、事故や盗難などのトラブルに巻き込まれることもあります。また、レンタカーを借りる際のトラブルもあり、これらのリスクを事前に知っておくことが、トラブル回避の対策になります。
この記事では、現地でレンタカーを借りるときの注意点、強盗や車上荒らしなどへの防犯対策、交通事故を起こした際の行動について解説します。
なお、国際運転免許証の取得など、海外で運転する際の渡航前の準備については、下記の記事をご覧ください。
渡航先でレンタカーを借りるときの注意点
渡航先でレンタカーを利用する際は、料金やサービス内容をよく確認することが重要です。ここでは、特に注意すべき4つのポイントを紹介します。
料金でレンタカー会社を選ばない
料金の安さに惹かれて選んだレンタカー会社で、車両のコンディションや現地スタッフの対応に問題があるケースがあります。料金が多少高くても、信頼性の高いレンタカー会社を選ぶことをおすすめします。
任意保険の加入を検討する
レンタカーを借りる際、レンタル料金に含まれる基本の保険は補償額が驚くほど低額です。
そのため、任意保険(対人・対物・搭乗者保険)への加入で、もしもの事故で他人にケガをさせたり、車や施設に損害を与えたりした際の、高額な治療費や修理費に備えましょう。
料金内訳の確認をする
契約時に内訳を確認せずにレンタカーを利用すると、返却後に清掃費や損傷修理費など、事前に説明のなかった費用を請求されることがあります。
そのようなことにならないよう、料金に何が含まれていて、何が含まれていないのかという内訳を確認するとともに、車体やタイヤの傷も含めて、乗車前に写真や動画で記録しておくと安心です。
クレジットカードはその場で決済する
レンタカーを借りる際にクレジットカードで決済する場合は、必ずその場で決済し、明細も確認しましょう。
カード情報の不正利用によって二重請求が発生するケースがあります。料金の内訳確認や、面前でのカード決済を依頼することが大切です。
カージャックや車上荒らしにも注意!
海外では観光客を狙った自動車関連の犯罪があとを絶ちません。さまざまな手口があることを知っておくことも、防犯につながります。
・カージャック
信号待ちのあいだに助手席側から近づいた犯人が、突然ドアを開けて貴重品を奪う。人気の少ない駐車場で、降車直後に銃器などで脅して金品を奪う。
・パンク強盗
カージャックの中でも、タイヤを意図的にパンクさせて金品を奪う強盗のことを指す。パンクした車から降りた途端に襲われるほか、パンクについて親切を装って接近し、荷物を盗むケースもある。
・車上荒らし
車から人がいなくなった隙を狙って、窓を割ったり、トランクをこじ開けたりして社内の荷物を奪う。
防犯対策としては、「乗車中はドアロックを徹底する」「路上駐車は避け、できるだけ監視員のいる駐車場を利用する」「貴重品を見えない場所に保管する」「見知らぬ人に声をかけられても安易に窓を開けたり、降車したりしない」といった基本を守ることが重要です。
出典:「海外安全 虎の巻」(外務省) 「安全の手引き」(在ミラノ日本国総領事館) 「【注意喚起】レンタカートラブル」(在ハガッニャ日本国総領事館)
もしも交通事故を起こしたら?
海外で事故を起こしてしまった際、まず最優先すべきは負傷者の救助です。
ただし、事故を装った強盗事件の例もあるため、車外に出る前に周囲の安全を確認することが大切です。対応時には、決して自分一人で解決しようとせず、必ず警察、レンタカー会社、保険会社に連絡を入れましょう。特に保険会社への報告は24時間以内が基本とされています。
なお、事実関係がはっきりしないにもかかわらず、その場で「支払いに応じる」「安易に謝罪する」といった対応は避け、現地での保険会社などのサポートを受けながら、冷静に手続きを進めることが重要です。
海外ドライブを安心・安全に楽しもう
海外でのドライブを安全に楽しむためには、事前にリスクを知っておくこと、防犯対策などを心得ておくことが大切です。このほか、トラブルを未然に防ぐ心構えとして、「自分の身は自分で守る」という意識が欠かせません。
現地の治安を理解し、正しい知識と備えをもって、旅行先でのドライブを安全に楽しみましょう。