AIGあれこれ

起きてからでは遅い!災害に備えて、今できること【後編】(AIG損保)

2023/03/31

前編では、災害が「いつ・どこで」起きても不思議ではない状況下において、私たち一人ひとりが備えを進める上でのヒントをお伝えしました。後編では、災害に備えて会社としてできることを紹介します。

AIG損保は中小企業の事業継続強化の支援や、自社の事業継続の対応力の強化などに取り組んでいます。それらの取り組みは社外から高く評価されており、2021年には、特定非営利活動法人 事業継続推進機構(BCAO)が、日本の事業継続の普及および実践に貢献した個人・団体を表彰する「BCAOアワード2021」の大賞を受賞しました。取り組みを推進している経営企画部の篠原愛生に話を聞きました。

不測の事態が発生しても、慌てず適切に対応するために

━━ 事業継続管理(BCM)強化を支援する取り組みについて、やりがいを感じたことは?

BCMは、緊急事態の発生時において、社員の安否確認から始まり、被害状況の確認、そして事業継続計画(BCP)発動によるお客さまへの商品・サービスの提供など、私たちの事業の根幹をなすとても重要な業務です。

土日や深夜を問わず、緊急性と重要性の両方の観点からの対応力を求められるので、大きなプレッシャーのかかる仕事であることは間違いありません。しかし、日頃から万が一の事態を想定し、しっかり備えておけば、実際に不測の事態が発生した場合にも慌てることなく、適切に対応することができます。そうした瞬間には、大きなやりがいを感じます。

損害保険会社としてBCMを強化することは、私たちの大切なお客さまへ商品・サービスをお届けするプロセスやルートを絶やさないことであり、保険会社の社員として使命感を持って取り組みを進めています。

━━ 最近実施したBCP強化の取り組みを教えてください。

東京のような大都市圏で大規模な災害発生した場合、多くの人々が一斉に帰宅しようとすると、救命・救助活動に支障をきたすおそれや、二次被害に遭うおそれがあるため、むやみに移動を開始せず、職場や安全な場所に留まることが重要です。「東京都帰宅困難者対策条例」では、災害発生から3日間は人命救助・救急を最優先に行うため、従業員が職場にとどまることができるように必要な備蓄を準備しておくことが事業者に求められています。東京都はこの推進策の1つとして、社員の一斉帰宅抑制に積極的に取り組む企業を認定する「東京都一斉帰宅抑制推進企業認定制度」を実施しており、このたび「東京都一斉帰宅抑制推進モデル企業」の認定を受けました。

また、総務部門のリードのもと「文書廃棄キャンペーン」を実施し、各部門の協力を得て本社ビル内の災害備蓄品を地下から各フロアに移動しました。大規模災害による停電時に災害備蓄品を地下から各フロアへ階段を利用して運ぶのは非常に困難ですので、大きな改善につながったと思います。

課題を認識し、継続的に改善することが大事

━━ BCP強化の取り組みを進めていく中で、大切にされていることを教えてください。

AIG損保は、自然災害や新型コロナウイルス感染拡大など様々な事態に直面しながら、状況に応じて柔軟に対応することによりBCMの基盤を確立してきました。特に、実際の災害対応やBCPの更新・訓練で気づいた課題について、会社としてしっかりと認識し、継続的な改善を図ってきました。こういった課題を認識し、継続的な改善活動を行っていくプロセスを非常に重視しています。

BCMの取り組みをさらに改善するため、社外の先進的な手法やベスト・プラクティスなども積極的に取り入れ、お客さまや地域社会へさらに貢献し、地域に根ざした保険会社として社会的責任を果たしていきたいと考えています。

━━ 取り組みを進める中で、社内外でどのような変化が見られましたか。

これまでに事業継続に関する認証や表彰にチャレンジしてきました。2019年1月の保険業界初となる全事業について事業継続に関する国際規格「ISO22301」の取得、11月の国土強靭化貢献団体認証「レジリエンス認証」の取得、2022年6月の事業継続に関する表彰の「BCAOアワード2021」大賞の受賞などです。

その結果、社内だけでなく、BCMの取り組みに熱心な企業・団体の方々との交流が生まれました。これらの知見をもとに、先進的なBCMのモデル企業になれるよう、今後も取り組みを強化していきます。

小さな積み重ねが大きな力に

AIG損保は2014年から「公益財団法人 鎮守の森のプロジェクト」の活動に協賛し、震災による津波の発生が予測される地域での植樹活動を行っています。2022年に大阪府阪南市で行われた「いのちを守る植樹祭」では、開催地となった「森のあるこども園飛鳥ゆめ学舎」の園児たちや地元の方々、関係者の方々とともに28種類、3,000本の苗木を植えました。防災・減災への思いを込めて植えた苗木が育ち、森を作り、津波のリスクから人々の命を守ることが期待されます。(植樹の取り組みについて詳しくはこちらをご覧ください)

前編・後編にわたって、防災・減災のための取組みをお伝えしました。自然の脅威に対して、人間ができることはわずかなことかもしれません。それでも、身近な地域とつながり、リスクをイメージしながら、継続的に備えを進めていくことは、災害時に大きな力となるのではないでしょうか。

経営企画部メンバー(左から)杉町典亮、篠原愛生、小出みゆき

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