リアルストーリーズ

住宅7棟を焼く火災が発生 火元と類焼先の生活再建をサポート

お客さま宅から出火して近隣6棟へ延焼

2023年3月、春一番に似た強い風が吹いた日だった。ある一軒家から出火し、風にあおられた炎が瞬く間に燃え広がって住宅は全焼。さらに近隣の6棟を巻きこみ、うち2棟が全焼する大火災となった。

「火元となったのは私たちのお客さまでした。私は火災保険を担当して6年になるのですが、これまで経験した中でも最大といっていいほどの規模でした」

こう当時を振り返るのは、事故を担当した関西損害サービス本部の池内秀行だ。池内は2009年の入社後、自動車保険の事故担当として9年勤めた。その後、火災保険の事故担当になり、現在は関西サービスセンター第8課でマネージャーを務めている。

「被害のあまりの大きさに、お客さまの苦しみを想像しました。こんな時だからこそ、一刻も早く現場に行くことに価値があります。社内に常駐している鑑定人とともに急いで準備を整え、現場に向かいました」

新居探し、廃材処理、住宅ローン…火災後の問題は山積み

お客さまの元へ駆けつけた池内が目にしたのは、ひどく憔悴し、混乱するお客さまの姿だった。鑑定人が住宅の損害を査定している間、池内はお客さまとともに、何を、どんな手順で進めるべきか、一つずつ整理した。

「火災で自宅が全焼した場合、早急に対処すべきことがいくつかあります。まずは、役所に連絡すること。そうすれば一時的な住まいが借りられます。とはいえ、長くはいられないので、同時に新居も探しはじめます。また、もし住宅ローンが残っているなら銀行にも連絡し、返済期限を交渉する必要があります。あとは、業者に依頼して燃えた廃材を撤去し、失われた家財をリスト化して保険金を申請いただく、というのが大まかな流れです」

新居の契約、廃材処理、家財の購入、住宅ローン返済…。住宅火災が起きると、生活再建のために多額の資金が必要になる。こうしたケースに備えて、AIG損保には、保険金がお支払できる事故と判断した場合、修理見積書などの必要書類を待たず、損害保険金の見込み額の最大50%を支払う「Claims Promise(保険金高額内払サービス)」がある。火災や水災など、大規模な損害が発生した場合に適用されるサービスだ。(※)

「Claims Promiseで、必要なタイミングに保険金をお届けできますから、どうかご安心ください。大丈夫、一つずつ順番に進めていきましょう」と池内が励ますと、お客さまも大きく頷き、「道筋が見えました。さっそく取りかかります」。

鑑定人も査定を終え、その日のうちに生活再建に向けて動き出した。

  • 甚大な損害で弊社が保険金支払いの対象と判断した事案のうち、お客さまの臨時資金の需要が高いものが対象

火災に巻きこまれた住宅の力になれる「類焼特約」

「当時、お客さまは類焼先への対応についても非常に悩まれていました。ご近所の6棟のうち2棟は全焼しており、一体どうお詫びすれば良いのか、と…」

昔から木造建築が多い日本では、火災になれば常に類焼リスクがあること、失火者自身も大きな損害を受けていることから責任を負わせるのは酷という考え方があり、「失火責任法」では失火者に重大な過失がなければ賠償責任を負わせない、としている。つまり、各自であらかじめ火災保険に加入し、自宅や隣家からの出火に備えておく必要がある。

「とはいえ、類焼先に対して何のお詫びもしないというのは、心理的にも現実的にもむずかしいこと。AIG損保には、自宅の失火によって近隣の住まいや家財が焼けてしまったとき、類焼先が契約している火災保険の保険金で賄えなかった分に備える『類焼損害補償特約』というものがあります。今回のお客さまは、この特約に加入されていました」

「入られていてよかった、と私が心の底から思ったのはご近所への謝罪のときです」と池内は振り返る。入院している家族を病院に残し、一人で家々を回ってお詫びをするというお客さまに、池内も付き添った。

「もらい火で自宅が全焼したご家族の気持ちを思うと震えました。でも、過去に自動車保険の事故対応をして、被害に遭われた方の声を多く聞いて、気がついたのです。前向きに進むために、まずは被害に遭われた方の気持ちを丁寧に聞き、やり場のない怒りを受け止めることも私たちにできる大切な役目なのだ、と。少しでも皆さんの生活再建のお力になれたら…という思いで、一軒ずつお宅を訪ねました」

「どうしてくれる」と怒りのおさまらない家主の前で、お客さまとともに頭を下げた。その日に会えなかった家主のもとには改めて通い、特約を説明し、保険金請求のための書類を渡した。

「すべての謝罪が終わったとき、お客さまの顔にやっと血の気が戻るのを見ました。この特約があったことで、お客さまご自身はもちろん、ご近所の不安もやわらいだように感じました。というのも、類焼先のご一家が新築住宅にうつられたとき、私たちの保険にご加入くださったから。きっとご安心いただけたのだと思います」

「お客さまを一秒でも不安にさせたくない」

池内は、火災から1週間後には保険金の半額を、1ヶ月後には全額をお客さまの元に届けた。近隣住宅からも保険金の申請書類が届き、滞りなく支払いをすることができた。

「お客さまから、『こんなに迅速に話が進むなんて…』と驚きの声をいただき、お役に立てたことを実感しました。お客さまが最も必要とされるタイミングに保険金をお届けし、生活再建の資金として使っていただける。保険とはそうあるべきだ、といつも思うのです」

さわやかな笑顔と明るい話ぶりの池内だが、15年にわたって数多くの事故を担当してきたからこそ譲れない信念がある。

「人生に数回とないような苦しみの中にあるお客さまの姿も、再び前を向いて歩み出して行かれる姿も、数多く見てきました。安心してスムーズに乗り越えていけるかどうかは私たちにかかっています。だからこそ、お客さまが不安を感じる時間を一秒でも減らしたい。そのために働くのが私たちAIGの損害サービスなのだと胸を張りたい。これからもさまざまな現場で知見を蓄え、お客さまに寄り添いながら問題解決のお手伝いができたらと思います」

<プロフィール>

池内 秀行(いけうち ひでゆき)
2009年 アメリカンホーム医療・損害保険へ入社。配属から自動車保険の支払業務を担当。
2010年 自動車保険の対人賠償、エスカレーション事案を中心に扱う部署へ異動。
2017年 富士火災海上保険へ出向 火災保険の支払業務を担当。

掲載情報はすべて掲載時のものです。

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