※記事内には撮影時のみマスクを外している写真もあります

“社用車”のプロフェッショナルが 夢みた事故を未然に防ぐサービス

珍しいことに、AIG損保には“法人専門”の自動車保険部門がある。扱うのは、中小企業の社用車のための保険だ。同部門がつくられたのは2017年、AIU損害保険と富士火災海上保険が合併し、AIG損保として新たな第一歩を踏み出す準備に入るタイミングだった。

「ちょうどこの時、新しくできた部署で「やりたい」と積極的に手を挙げ、開発がスタートしたプロジェクトがありました。それが『スーパードライブガード(Super Drive Guard)』※。クルマの事故を未然に防ぐサービスです」

そう当時を振り返るのは、コマーシャル自動車保険部・商品開発課長の大名(おおみょう)圭太。スーパードライブガード開発の責任者である。

「開発の核としたのは、新生AIG損保が掲げた事業戦略『アクティブ・ケア(ACTIVE CARE)』です。これは、事故や損害が発生してから対応するのではなく、お客さまのためにリスクヘッジを徹底し、予防のために動こうというもの。社用車の保険にあてはめるなら、企業の自動車事故を一つでも減らす解決策を出すということ。ドキドキしましたね。当時、テレマティクスを用いたサービスが出始めていて、実現できる予感がありました」

テレマティクスとは、カーナビのようにGPS機能を備える機器を車両に設置し、インターネットに接続して情報を管理・活用するシステムのこと。

悲惨な自動車事故をたくさん見てきた大名たちにとって、事故削減は悲願だった。意欲に燃える3名がチームを作り、テレマティクスを用いた開発が始まった。機能面をシンプルにして、すべてを自動化する道もあったが、彼らはそれを選ばなかった。

「運転データを収集できても、お客さまごとの事情に沿って活用できないのでは意味がありません。その点、AIG損保には、お客さまに寄り添いながら保険を販売してくれる代理店が全国にある。彼らが契約企業の車のデータを読み解き、お客さまに分かりやすく改善策をコンサルティングし、お客さまがPDCAを回してくれたら、必ず事故を減らせると考えました」

テレマティクスはツールにすぎない。人のチカラこそサービスの要。大名は代理店と強力なタッグを組むサービスをつくるために動いた。トップダウンのプロジェクトではなかったことから予算の確保に苦労したが、代理店からは歓迎の声がぞくぞくと上がり、その応援が大きな力となった。

2018年3月。桜の開花とともに、大名たちの開発チームにも春がきた。コマーシャル自動車保険部の願いを形にした「スーパードライブガード」がリリースされたのだ。

誕生から3年 スーパードライブガードは事故を削減できたか

今、「スーパードライブガード」が発売されて3年が経つ。はたして、どんな結果を出しているのか。企画・開発を担った大名と、商品開発課でお客さまのリアルな声を収集してきた岡本翔吾に聞いた。

――まずは「スーパードライブガード」による事故削減の仕組みを教えてください。

大名:ざっくりというと、社用車にマシンをつけて運転データを収集し、リアルタイムでドライバーの心理や状態を分析し、異変や予兆を察知したらアラートを出す、同時に、管理者もネット経由で運転データをチェックできる、というものです。

岡本:お客さまから、よく「ドライブレコーダーとどう違うの?」と聞かれます。ドライブレコーダーは発生した事故を記録するものですが、スーパードライブガードはそもそも事故の発生リスクを減らすもの。全くの別物なのです。とくに、いろんな運転データの“見える化”を行っているのが特徴ですね。

――具体的には、どんなデータを?

大名:たとえば、「走行の時間・距離」といった基本的な情報をはじめ、「発進/停止回数」「運転中の急加速・急発進」といった運転の仕方、「燃費」「アイドリング時間」「CO2排出量」といったSDGsにつながるものなど、多岐にわたるデータを数字やグラフでレポートします。

岡本:これまでは曖昧だったこれらの要素が目に見えるようになったことで、事故予防にめざましい効果が出ています。たとえば、社用車を数多く持つ企業「株式会社Fujitaka」さま(以下、「Fujitakaさま」といいます)が実証実験に協力してくださったときのこと。
運用がはじまってすぐ、経営層がもっとも驚かれたのは社員の皆さんの運転の仕方でした。速度超過が多いことがわかったのです。そこで、社内に安全運転のアナウンスをされました。すると、社員の間に“見られている”意識が生まれ、すぐに危険挙動の数が減ったのです。

――確かに減少が見てとれます。お客さま側ではどのような運用をされたのでしょう?

岡本:お客さまにお願いした作業は「機器を車両に設置する」「結果を社員にフィードバックする」という2点だけです。現在、Fujitakaさまの事故リスクが減ったことから保険料を下げることに成功しました。さらには燃費も下がったとのことでした。

――シンプルな運用で大きな効果を得られたのですね。一方、代理店側ではどんな運用を?

大名:お客さまの運転データは、代理店も閲覧できるようになっています。

同時に、膨大なデータを見渡して、何がリスクになっているかを見つけるのも代理店の役割です。スピード超過はわかりやすい例でしたが、複雑に絡み合うデータの中から見つかるリスクもあります。代理店はそうしたものを炙り出し、お客さまに対して定期的に事故防止のためのコンサルティングを行います。

そして再びデータを分析し、効果の有無をチェックする。こうしたPDCAができあがれば、“たぶん”ではなく“確実に”お客さまの事故を減らしていけます。私たちが目指すのは、削減というよりゼロなのです。

自動で運転日報を作成、余剰車両の発見 …企業が支持する機能

――実際にサービスを利用している企業から「これはうれしい!」という声があった機能はありますか?

岡本:たとえば、自動で運転日報を作成できる機能がそのひとつ。最近よくお褒めの言葉をいただいています。

というのも、社用車を多くもつ企業では、各ドライバーが毎日記す運転日報を管理する義務があり、多くの企業はこの運転日報を手書きの書面で運用しているのです。それだけでも大変なのですが、自宅から直行し、また自宅に戻ることが増えた昨今では郵送して管理する必要まで出てきてしまいました。

その点、「スーパードライブガード」を導入していればドライバーは日誌を書く手間が省け、企業側もオンライン上から簡単にダウンロードし、保管できます。社員たちの作業効率が大きく上がったというお声をたくさんいただいています。

大名:うれしいですよね。さらにもう一つ、「使用頻度の低い社用車」がわかる点もよく喜ばれます。これはつまり、私たちの方から「この車、減らしませんか?」というご提案ができるということなのです。

――車が減ると自動車保険の契約件数が減ってしまうのでは?

大名:もちろん保険会社としては痛手なのですが、そちらの方がお客さまの力になれますから。とくに今は世の中の変化で痛手を受けてしまった企業も多いはず。経費削減を急ぐお客さまの場合は、不要な資産は早く整理すべきです。処分してもいいし、社員とシェアして福利厚生にあててもいい。いろんなアイデアが湧いてきますよね。

岡本:それに、最近はSDGsに取り組まれる企業も増えてきました。スーパードライブガードは排出する二酸化炭素量なども“見える化”しています。これは損害保険業界では初のもの。環境への配慮を目指すお客さまにもきっとお役に立てるはずです。

大名:最新のテクノロジーを使いながら、わかりやすくシンプルに、お客さまのリスクを未然に防ぐ。これがAIG損保の目指すところ。このマインドにもとづけば、自動車保険にはまだまだできることがたくさんあります。これからも、中小企業の社用車に特化した専門部署ならではの視点とアイデアで新しい保険の分野を切りひらいていきます。

  • SuperDriveGuard(スーパードライブガード)は、AIG損害保険(株)の商標です。
    SuperDriveGuardは、AIG損害保険(株)の協力をうけ、(株)スマートバリューの「CiEMS」をもとに開発したサービスです。
    サービスのご提供にあたっては、お客さまが(株)スマートバリューと直接ご契約いただきます。

<プロフィール>

大名 圭太(おおみょう けいた)
1999年に新卒でAIUに入社し、姫路支店で営業担当。その後、コールセンター、マーケティング、商品認可を経て2017年よりコマーシャル自動車保険部商品開発課長として勤務。

岡本 翔吾(おかもと しょうご)
2008年に新卒で富士火災に入社、高松支店で営業担当。その後、損害サービス部門へ異動し、アジャスター、マネージャーを経て2016年にコーポレートセグメントでフリート商品担当に着任し、2018年よりコマーシャル自動車保険部商品開発課に勤務。

掲載情報はすべて掲載時のものです。

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SuperDriveGuard
法人契約のお客さまが利用可能な、車載用端末からリアルタイムに収集された運転データを分析・活用するテレマティクスサービスです。