リスクを未然に防ぐことが使命 リスクヘッジの専門家たち
事業のグローバル化や多角化、少子高齢社会による人材不足、そして地震や台風といった自然災害の多発……。いま、企業を取り巻くリスクはいよいよ複雑化の一途を辿っている。AIG損保にはこうしたリスクを研究し、お客さまや社会に貢献するための専門部署がある。
「それが『リスクコンサルティングユニット』と呼ばれる組織です。AIG損保は、『アクティブ・ケア(ACTIVE CARE)』といって、時代とニーズに応じて絶えず進化し、事故や損害が発生する前に積極的にリスクヘッジをするというコンセプトを掲げています。同ユニットはまさにこのアクティブ・ケアを体現する組織なのです」
こう話すのは、4年にわたってユニット長を務めた相田彩子だ。同ユニットを構成するのは、リスクスーパーバイザーと呼ばれる危機管理の専門家たち。国内外を含めて事故や損害にまつわる膨大なデータと知見が蓄積されている外資系損保の強みを生かし、お客さまのリスクマネジメントをサポートしている。
また、社内の営業社員や代理店のリスクコンサルティングに関わる知識とスキルを高めるための教育システム(プログラム)の構築を担当している。現在、ユニットが力を入れているのがこの“教育”だ。
リスクヘッジのプロフェッショナルが “育てる”ことに力を注ぐわけ
「『人』、『物』、『利益』、『情報』など、企業の資産や活動に潜むリスクはさまざまです。これらを確実に見つけ出し、対処策の実施までをお手伝いするのがAIG損保の社員たちと代理店の皆さまです。そのため同ユニットでは、彼らのトレーニングに大きく力を注いでいるのです」
お客さまの企業が抱えるリスクをわかりやすく説明し、未然に防ぐサポートができる人材を一人でも多く育てること。それがAIG損保の使命だと相田は考えている。
「たとえば、お客さまから保険に入りたいと相談を受けたとき、そこには何かしらのお悩みがあるはずです。もちろん保険は備えとして重要な選択肢ですが、加入しただけでは対策として不十分。相談を受けた担当者は、適した保険を提案しつつ、お客さまの企業内において何が問題かを的確に見抜き、予防策を考える必要があります」
同ユニットでは、AIG損保社員や代理店がそうしたスキルを必ず習得できるようにさまざまな方法で教育を行なってきた。オリジナルの教育プログラムや独自の社内資格制度などを整備し、実際の現場を見学して研修を行うこともある。
「例えば、とある食品企業のご好意で、勉強の場をいただいたことがあります。AIG損保と代理店から15名が参加し、普段は入れない食品工場の中をくまなく視察させていただきました。まさに『百聞は一見に如かず』。机上のトレーニングだけでなく、実際に見て、従業員の怪我を防ぐ観点、食品衛生を管理する観点などを自分で検証してこそ、リスクを見る目が育つのです」
広い業種でこうしたトレーニングを重ねることで、お客さまの悩みをすばやく理解し、共感できる人材へと育つ。目に見えるリスクはもちろん、まだ顕在化していないリスクを見抜き、的確なコンサルティングを行うために、こうした実地の学びは欠かせない。
まさかの時に駆けつけるだけじゃなく 幸せを守るためにも力を尽くしたい
一方、お客さまから依頼があれば、危機管理の専門家であるリスクスーパーバイザーがお客さまの元を訪れ、現場を視察し、無償でリスクコンサルティングを行うこともある。
内容は「交通安全」や「食品安全」、「労務リスク対策」、「個人情報保護・漏えい対策」、「賠償事故防止」など多岐にわたり、依頼企業の社員に向けて講習を行うケースが多い。
「たとえば、土木工事を専門とするA社からは、約30年間にわたって『安全講習』の依頼をいただいています。長年担当してきたからこそ、その企業特有のリスクも把握でき、解像度を高めた状態でフィードバックできるというメリットもあります。講習会は、毎回お客さまと綿密に打ち合わせをしながら行います。回を重ねるごとに磨かれてきた経緯があるので、重要な点を効率よくお伝えできているのではないでしょうか」
その結果、事故に対する従業員の意識が年々高まり、近年では、AIG損保の平均損害率と比較して、半分程度の低い水準で推移している。
相田は今、ユニットにいた当時よりさらにお客さまに近い現場である横浜支店で支店長を務めている。思いがけない事故や損害に備えるだけでなく、そもそもそれが起こらない未来を目指して、相田は考え続ける。
「私たちはお客さまの悩みから見えてくるものはもちろん、まだ顕在化していないものまで、あらゆるリスクを見逃したくないのです。その思いは、日々働く社員たち、そして一緒に歩んでくださる代理店も思いはみな同じ。まさかのときにいち早く駆けつけてお力になるのはもちろん、幸せを守るためにも一丸となってお客さまのリスクと向き合っていきます」