AIGあれこれ

グローバル人材育成のカギとは?「AIG高校生外交官プログラム」

2023/11/21

これまでに4,000人を超える日米の高校生が参加してきた「AIG高校生外交官プログラム」。グローバルリーダーの育成と日米の高校生の異文化交流を促進する目的で、長年にわたり継続されてきた社会貢献事業です。プログラムの卒業生には、国際的な舞台で活躍している人たちが多数いらっしゃいます。夏休み期間中に行われるこのプログラムで、参加者はどのように変化し成長していくのでしょうか?AIG高校生外交官プログラム事務局の石井 千佳子 事務局長と、大学生スタッフ(通称:カウンセラー)の仁平 茜さん、丸山 あかねさんに話を聞きました。(以下、敬称略)

■ 卒業生は政府機関、民間企業、エンタメ業界など多彩な分野で活躍

━━ 「AIG高校生外交官プログラム」が発足した経緯を教えてください。

石井:1987年にAIU保険会社(現AIG損保)の日本での創業40周年を記念して社会貢献事業の一環として発足しました。日本の高校生が渡米して活動する「渡米プログラム」から始まり、1994年から米国の高校生が来日して活動する「日本プログラム」も開始しました。以降、コロナ禍の影響で実施できなかった2020年を除いて、毎年夏休み期間中に実施しています。

石井 千佳子
AIG高校生外交官プログラム事務局 事務局長

━━ AIGはどのような思いでこのプログラムを支援しているのですか。

石井:プログラムを通じ世界で活躍できるグローバルリーダーを育てることを目的としています。日米を代表する「高校生外交官」であるプログラム参加者たちに、相手国のルームメイトと過ごす共同生活や体験学習を通じて、将来のキャリアを考える機会などを提供しています。

━━ 過去に参加した卒業生は、どのような分野で活躍されていますか。

石井:プログラムが30周年を迎えた2016年に卒業生に聞いたアンケート調査によると、「渡米プログラム」に参加した日本の高校生の3分の1ほどが海外の大学に留学したり、海外勤務の仕事に就いているようです。そのほか、外交官やブロードウェイミュージカル俳優など幅広い分野で活躍されている方もいます。卒業後に学校の先生になって、教え子が応募されるケースも増えています。

「日本プログラム」に参加した米国の高校生も、大学卒業後に米国下院議員や外交官など政府関係の仕事に就いている方や民間企業で活躍されている方がいます。

━━ 12月から2024年度の参加者募集が始まるそうですね。どのような思いを持った方からの応募を期待されていますか。

石井:「英語力が必要ですか」という質問を受けることが多いのですが、英語のスキルの有無にかかわらず、多様な人材に参加していただきたいと考えています。合格者は、4月に発表されてからプログラム実施の7月までの3カ月間で英語学習を含め、日本の文化を紹介するプレゼンテーションの準備などを行います。そういった取り組みに意欲的な方や、自身が成長してグローバルな環境に飛び込みたい方に、ぜひご応募いただきたいです。

■ 多様性が他者と協力して困難を乗り越える力を育む

━━ プログラムでの経験を通じてご自身の中で変化したことを教えてください。

丸山:私は、高校3年生の時に渡米プログラムに参加しました。当時、自分に自信がなくてネガティブな性格を変えたいと思っていたんです。他の参加者やアメリカの高校生との交流を通じて、誰もが困難を抱えながらも前向きに生きていることがわかりました。その経験からありのままの自分を受け入れられるようになり、自信を得た気がします。そのおかげで、今はとても前向きな性格になりました。

丸山 あかね
AIG高校生外交官プログラム事務局 カウンセラー
(2019年「渡米プログラム」参加)

仁平:私には大きな変化が2つありました。まず、何事にも全力で挑戦できるようになったこと。プログラムに参加する前は自分の限界を決めてしまっていたんです。参加後は自分をサポートしてくれている人たちの存在に気づき、限界を超えてチャレンジしようという気持ちになりました。
また、このプログラムを支援するAIGの「多様性こそ強み」という思いが反映されていると思います。参加者には、自分と同じ個性を持った人が一人もいない。だからこそ、一人ではできないことも協力し合って乗り越えられました。
挑戦することと、多様性を学んだことによって、私自身の視野も大きく広がったように思います。

━━ 仲間と協力して、どのようなことを乗り越えられたのですか。

仁平:人前に立って自分の意見を伝えられるようになったことです。参加した当初は言語の壁があり、自分の言いたいことをうまく伝えられず、もどかしい思いをしていました。そんな私を支えてくれたのが、アメリカの高校生のルームメイトです。毎晩、彼女とお互いの考えやプログラムを通じて達成すべきことを話し合いました。その経験によって自分の考えを深め、自信を持って人に意見を伝えられるようになりました。彼女との時間は、本当に有意義でしたね。

■ 目標達成に向けて仲間と取り組む「かけがえのない経験」

━━ プログラムを通じて学んだことで、その後の人生に役立っていることがあれば教えてください。

丸山:他人の意見や感情に揺さぶられないようになったことが役立っています。プログラムの実施期間中は団体で行動しますので、参加者同士で意見がぶつかり合うこともありました。そこで仲間割れすると、私たちが目指す目標を達成できません。そのため、自身の感情をコントロールしてお互いの気持ちを理解し合うまで議論を重ねました。そこで身についた術は現在の生活の様々な場面において活かされているように思います。

仁平:プログラムを通じて多様性を認め合うことを学んだおかげで、一人ひとりの気持ちに寄り添って考える力が身につきました。現在もカウンセラーとして、多くの人と関わる機会がありますが、参加者が持つそれぞれの個性に着目してコミュニケーションを取るようにしています。そうすることで、何か問題が発生した時にも、相手の立場や気持ちを尊重して解決方法を見出していくことができると思います。

仁平 茜
AIG高校生外交官プログラム事務局 カウンセラー
(2018年「渡米プログラム」参加)

━━ カウンセラーのお仕事について教えてください。

丸山:カウンセラーは大学1年生から4年生まで現在18名います。1年生の時には、先輩に学びながら資料作りなどサポート的な役割を担い、年次が上がるごとにより深く携わります。4年生では後輩カウンセラーの育成や事務局の正職員の補佐的役割を求められます。私は今年、事務局の正職員とともに渡米プログラムに同行し、参加者の安全管理や精神面のケア、現地での活動の運営も行いました。

━━ どのような思いでカウンセラーになったのですか。

丸山:カウンセラーの仕事に挑戦することで、参加者の意欲や前向きな気持ちによい影響をもたらすことができればと思い、志願しました。

仁平:このプログラムに恩返しをしたい、後輩たちにバトンをつなげたいという思いでカウンセラーになりました。新たなことにチャレンジする高校生を後押しする応援団の気持ちで仕事をしています。

■ 参加者一人ひとりの個性に寄り添ったサポート

━━ プログラムを運営する中で、楽しいな、大変だなと感じることを教えてください。

丸山:参加者一人ひとりが個性を持っていて、自分の知らない世界を見せてくれます。なので、日々新しい発見や学びがあり、楽しいですね。
難しいなと思うのは、参加者から相談を受けた時、どこまでアドバイスをするかということです。私が経験上学んだことを話してしまうと彼ら(彼女ら)自身が模索しながら答えを見出す機会を阻害してしまうので、それを考慮した上で適切な言葉を選ぶ必要があります。プラスの言葉でヒントを与えたほうが伸びる人もいれば、やや厳しい言葉をかけたほうが方向性を正していける人もいます。一人ひとりに合わせてアドバイスすることには難しさを感じますが、私自身にとっても勉強になります。

仁平:楽しいと感じるのは、参加者の成長を間近で見られることです。プログラムを通じて参加者が前向きに変化した姿を見ると、「カウンセラーをやっていてよかったな」と思います。大変なことは、プログラムの実施期間に体力を使うことでしょうか(笑)。今年の渡米プログラムの同行中は、早朝の体操の活動から始まってスケジュールが詰まっていたので、参加者をケアしつつ、自身の体調管理にも努めました。

━━ コロナ禍など困難な時期もあったかと思いますが、36年間も続いている理由を教えてください。

石井:2020年は参加者の安全性を考慮して自粛せざるを得ませんでした。自粛が決まってモチベーションが下がるような時にも、カウンセラーたちが翌年のプログラムとしてオンラインでできる活動を企画したり、動画を作ったりして積極的に動いてくれました。そのおかげで、2021年には日本の高校生向けにオンラインでのプログラムを実施することができ、大変好評でした。このように困難な時を乗り越えられたのも、これまでにプログラムに関わってくださった多くの方々の思いを継承したい気持ちがあったからこそ。フリーマン財団、そしてAIGの先輩たちが長年支援してくださったプログラムを次世代につなげ、今後もグローバル人材の育成に貢献したいと思います。

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