リモートワークはつらい？従業員のストレスを軽減する方法

リモートワークが普及するにつれ、リモートワークを続けるのがつらいという声も聞かれるようになってきました。

リモートワークのつらさとはどのようなもので、どうすればつらさを軽減できるのでしょうか。リモートワークで感じるつらさやストレスと、それを軽減する方法について解説します。

リモートワークは通勤する必要がなく、自宅などで仕事ができるため、オフィス勤務よりも自由な働き方ができます。しかし、自由な働き方ができる一方で、リモートワークがつらいと感じることもあるようです。

リモートワークのつらさの原因はひとつではなく、多種多様です。コミュニケーションが減ることによる精神面のつらさや、健康管理が難しいというつらさもあります。まずは、リモートワークで働く人たちがどのようなことをつらいと感じているのか、いくつか挙げてみましょう。

出典「テレワークの労務管理等に関する実態調査（速報版）」（厚生労働省、三菱UFJリサーチ＆コンサルティング株式会社）

リモートワークでは、集中しづらいという人が多くなっています。オフィス勤務と異なり同僚や上司が近くにおらず、家族がいると集中できないという人も少なくありません。それに伴って、仕事の生産性や効率が下がるという声もあります。

Web会議は、意思疎通が図りにくいという意見もあります。タイムラグがあったり、非言語情報が伝わりにくかったりすることが原因だといえるでしょう。

リモートワークでは、わからないことをすぐに聞いたり、雑談をしたりしにくいものです。上司や同僚とコミュニケーションがとりにくいことが、ストレスとなってしまいます。それによって、孤独感や疎外感を感じてしまう人も増えています。

リモートワークでは、仕事とそれ以外の時間の境目が曖昧になりがちです。特に、自宅でリモートワークをしている場合は、仕事場と生活空間が同じになります。通勤時間がなくなるのはメリットといえますが、仕事とそれ以外の時間との切替えがしにくいのはデメリットといえるでしょう。

リモートワークのつらさやストレスを軽減するためには、どのような対策が考えられるのでしょうか。続いては、リモートワークでのストレス軽減方法をご紹介します。

リモートワークのストレスを軽減する方法として、コミュニケーションツールを活用することが挙げられます。

気軽なコミュニケーションを促進するものとしては、チャットツールや社内SNS、バーチャルオフィスツールなどがあります。こうしたツールを複数組み合わせたり、Web会議などと組み合わせて活用したりすることで、オフィス勤務とはまた違うコミュニケーション環境を作り出すことが可能です。

気軽なコミュニケーションが難しいリモートワークでは、できるだけ従業員がコミュニケーションをとりやすい環境を作るようにしましょう。

上司と部下との1on1ミーティングも、リモートワークのストレスを軽減する方法のひとつです。リモートワークでの上司と部下のやりとりは業務連絡が多くなってしまいがちですが、上司が部下の状況を把握し、悩みを解消できるようにするために、1on1ミーティングを行ってみましょう。

また、1on1ミーティングは、定期的に行うことが大切です。定期的にコミュニケーションをとることで、考え方や気持ちの変化などを把握することができます。何か問題があれば、対応するきっかけにしてみてください。

リモートワークでは、従業員の勤務態度や業務に対する意欲などの評価を行うことが困難です。そのため、成果や実績に応じた評価をする傾向が強まっています。

しかし、成果を出せればいいものの、リモートワークでは仕事の生産性や効率が下がるという意見もあります。

そこで、社員個々に最適化された目標を設定して達成度を管理する「目標管理制度（MBO）」や、自社の価値観や行動基準を明文化して従業員の行動とマッチしているかを評価する「バリュー評価」などを取り入れ、評価制度を見直してみるのもいいでしょう。

どのような評価制度が従業員のモチベーションや満足度向上につながるのかをしっかりと検討し、リモートワークに組み込んでいくことが重要です。

リモートワークでは、従業員のセルフマネジメントをサポートする体制づくりも求められます。従業員が自身の目標を管理し、日々のタスクやスケジュールも可視化して取り組むことができるような仕組みが必要です。

その上で、リモートワークでのリフレッシュ方法や、体調管理のノウハウなどに関するアドバイスが受けられるような相談窓口も設置するといいでしょう。

リモートワークを取り入れる企業が増えてきましたが、まだ試行錯誤している企業も多くあります。リモートワークでの漠然としたつらさを軽減・解消するには、その原因を探り、少しずつ工夫をしながら課題を解決していく必要があります。

企業によってリモートワークの課題は異なるため、解決策の正解はひとつではありません。従業員の声を丁寧に拾い上げながら、リモートワークの課題を改善していく作業が求められています。